名古屋市住宅都市局は、久屋大通の南エリア再生に向け、2019年度は基礎的調査を引き続き行うとともに、「整備の考え方」の策定に向けた検討を深める考えだ。19年度当初予算案(財政局案)には事業費3800万円を計上する見込み。
久屋大通の南エリアは、久屋大通公園の面積が約5f。周辺の道路部を含めると約9fが検討対象。地上部に広場、地下は北側が広小路通の直下までが地下街、同地下街南側に隣接する形で、久屋駐車場、エンゼルパーク駐車場が配置され、公園南端は地下鉄名城線の矢場町駅がある。
13年に策定した栄地区グランドビジョンでは、リニア中央新幹線が開業予定の27年までを前期・中期・後期に分け、テレビ塔エリア・北エリアを前期に、南エリアは中期内を目標に公共空間の再生を行う方針を示している。また、南エリアの空間イメージは「にぎわいの空間」と位置付け、大規模イベント空間の充実と来訪者が集い楽しむことができる公園としていく考えを示している。
南エリアは、休日には多くのイベントが開かれ、数多くの人でにぎわいが生まれている一方で、平日はそれほどでもない。本年度の検討調査では、平日の魅力アップにつながる集客・交流機能の導入や公園機能を検討している他、歩行者の回遊性向上策として▽エリア南北の連続性強化▽公園と沿道の一体化▽地上と地下の連続性強化▽自転車利用者対策▽駐車場の機能転換―の各課題についてどのような対処策があるか複数案をまとめている。本年度の検討調査は、日建設計グループ(日建設計、日建設計シビル)が担当。納期は3月22日。
19年度の検討では、18年度の成果を受けて、追加の基礎調査の実施や整備の考え方の策定に向けた議論を深める見込みだ。整備の考え方は、グランドビジョンの方向性をより明確化する方針としての位置付けとなる。
提供:建通新聞社