第8回サッカー等スタジアム整備検討協議会が16日、鹿児島市役所で開かれ、候補地を「浜町バス車庫」「ドルフィンポート」「住吉町15番街区」の3カ所とする方針をまとめた。1月中に井上佳朗会長(鹿児島大学特任教授)が森博幸市長に報告書を提出する。2017年3月に発足した協議会は、今回で終了となる。
同協議会では、昨年11月にまとめた立地にかかる専門的な調査により、「浜町ゴルフ練習場」「かんまちあ」「鹿児島中央駅西口」を加えた6カ所を候補地に選定。いずれもアクセス面で利便性が高い一方、それぞれに課題も見られるが、@まちとの回遊性・集客性A鹿児島らしさが感じられるロケーション(桜島・錦江湾)B移転等が必要な既存施設がない、または少なく、整備が比較的容易−の3点を勘案し、絞り込む候補地を検討した。
その結果、浜町ゴルフ練習場とかんまちあは、重要な人流・物流の幹線であるJR等の線路がかかるなど各面で制約を受けること、鹿児島中央駅西口は鹿児島らしさが感じられるロケーションではないことなどから、残る3カ所が候補地として望ましいとまとめた。
3候補地はいずれも海岸立地であるため、錦江湾を生かす視点を取り入れることや、中心市街地との回遊性の検討などを今後要望。浜町バス車庫は鹿児島駅からのアプローチの円滑化、ドルフィンポートは県のグランドデザインとの整合による相乗効果、住吉町15番街区は駐車場等について周辺エリアとの連携策など、それぞれの検討も求める。
井上会長は「関係各所と意見の調整を図るとともに、地権者と協力関係を築くための話し合いが重要」と言及。また、西原一将副会長(県サッカー協会長)は「鹿児島ユナイテッドFCがJ1に昇格できるタイミングを迎えた場合に、スタジアムがないために昇格できなくなる事態は避けたい」と建設に向けた取り組みの推進を訴えた。
森市長への報告後は、同市が中心となって地権者や関係機関とさらなる協議を行っていく見通しだ。