九州地方整備局鹿児島国道事務所は、国道10号白浜拡幅で、4車線化に向け用地を確保するため海側へ道路を迫り出す必要があることから、公有水面埋め立てを計画している。延長は約1892m、面積は8801.7u。概算工事費は約70億円で、早ければ2019年度上半期にも着工する。海岸管理者の県に対し承認を出願していたことで分かった。
護岸(高さ7.2m)の形式を姶良市側の起点側からみると、直立消波ブロック積護岸を基本に、埋立区域A(L952.22m、1313.9u)では補強土壁擁壁、同B(L200m、895.68u)はL型擁壁(嵩上げ高欄あり)で構成。
同C(L557.9m、階段L12m、5923.93u)と同D(L109.32m、668.19u)では波返し擁壁も整備する。
工事手法は、海岸の護岸工施工を先行して行い、追随して現況道路部の改良に着手する。片押し施工の場合は、海側護岸施工が9工区、現道部分の上り車線を5工区の計14工区とする考えだ。
その場合、工期が長期となるため、実施工時には施工体制を見直すことで施工期間の短縮を図ることにしている。現時点で各区域の工期はAが8年、BとDは3年、Cは6年を見込んでいる。
水質等への配慮は、施工範囲が水につからないよう仮設遮水版で遮水を行った工事用道路上からの施工が基本。工事中には粉じん等の発生を抑制するため、施工区域や工事用道路に散水を行う。
また、環境汚染対策は、養殖の海域が近接しているため、@遮水矢板A汚濁防止フェンスの2重設置B素掘り側溝による地表面水の流出防止を図る。
埋立面積の内訳は、護岸用地が2373.19uで、道路用地は6428.51u。土砂等の量は裏込石が3万6312m3、補強土壁盛土は1万4240m3−など。現場の掘削土砂等を利用する。
■脇元高架橋
下部工を発注
同拡幅の起点は姶良市脇元で、終点は鹿児島市吉野町上ノ村の延長7.3km。残る3.4kmの現道を4車線化する。全体事業費は120億円で事業費ベースの進捗は約13%、用地進捗率は100%。
同拡幅と姶良バイパスをつなぐ、脇元高架橋(約200m)の上部工形式は、鋼2径間連続非合成箱桁+PC3径間連続中空床版。現在、下部工の発注手続きを進めている。開札は19年2月19日午前11時、工期は9月30日まで。