県総合企画部水政課は11日、県庁本庁舎で2018年度「千葉県水道事業運営審議会」(会長=坂本弘道・一般社団法人スマート水道推進協会会長)を開き、県水道ビジョンの策定や県内水道の統合・広域化などについて報告した。水道ビジョンについては、今月下旬までに骨子案をまとめ、県議会への説明やパブリックコメントなどを実施、本年8月ごろの策定を目指す。また、水道の統合・広域化では県内における取り組み状況が報告された。
水道ビジョンは「水道事業基盤強化に係る千葉県基本計画」として策定。計画期間は28年度までの10か年とする。基本理念を「次世代の千葉を支える水道の確立」とし、50年後、100年後の県内水道の理想像として▽安定した水を届ける揺るぎない運営基盤の確立(持続)▽県民が安心して飲める良質な水の供給体制の確立(安全)▽災害時にも確実に水を届ける施設・体制の強化(強靭)――の3つを掲げた。
具体的な数値目標では、アセットマネジメント(タイプD)の100%導入、水安全計画の策定率100%、耐震化計画の策定率100%を目指す。
統合・広域連携による運営基盤強化の取り組みでは、運営基盤の脆弱な九十九里地域・南房総地域の用水供給事業体と県営水道の統合をリーディングケースとして進め、その後、ほかの水道用水供給事業体との統合に向け、地域の市町村等と合意形成を図ることとした。
また、末端給水事業の統合・広域化連携では、水道用水供給事業体とその構成市町村の枠組みを基本に、県内8ブロックを設定し、このブロックを基本に地域で統合・広域連携の具体的な検討を行うことが望ましいとした。
一方、県内の統合・広域化に向けた取り組みでは、リーディングケースの統合について、施設整備・更新、人員配置、財政収支見通しなどの協議を行い、統合後の事業体の運営方針等を示す「統合基本計画案」を策定するため、九十九里地域水道企業団と南房総広域水道企業団の事務局長、県水道局の総合企画課長、計画課長、県の市町村課長、政策企画課長、水政課長で構成する「実務担当者による検討会議」を15年度に設置し、これまでに8回の会議を開催。今後、関係市町村と財政措置等について協議・調整を行い、(仮称)統合協議会の設置を目指す。
九十九里地域・南房総地域では、リーディングケースの協議と併行して、研究会等を設置し、末端給水事業体の統合について検討を進めている。
九十九里地域では16年3月に「県内水道の統合・広域化の進め方に係る九十九里地域水道事業体会議」を、南房総地域は15年7月に「南房総地域末端給水事業統合研究会」を設置し、それぞれ検討を進めている。また、印旛地域では、昨年3月に「印旛地域末端給水事業統合研究会」が設置され、本年度から検討が開始された。
このほか、君津地域では県と4市(木更津市、君津市、富津市、袖ケ浦市)で広域連合の基本的事項について合意に至り、昨年10月に「かずさ水道広域連合企業団」の設置許可申請を国に提出。本年4月1日からの事業開始を目指している。