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北海道建設新聞社
2019/01/16

【北海道】造園業者の技術、視点で 旭川公園管理センター奥野社長

 昨年10月、道北造園建設業協会の会員16社で発足した株式会社旭川公園管理センターが、このほど旭川市の都市公園指定管理業務2件の優先交渉権者に選ばれた。古い樹木の更新や危険木伐採といった造園業者ならではの維持管理も実施していきたい考えで、「地域の要望を取り入れながら、きれいな公園を市民の方々に提供したい」と意気込む奥野泰隆社長に会社設立の経緯や今後の展望を聞いた。
 ―会社を設立したきっかけは。
 これまで旭川市公園緑地協会の下請けやサブの共同体として指定管理業務に参加していた。業務に携わっていく中で、協会が担っていた市民とのコミュニケーション、公園愛護協会との連携といったスキルも身に付いてきた。
 そこで、当協会が実施してきたことを16社が一体となって取り組めるよう会社を設立することにし、元請けとして次期指定管理者募集(指定期間2019―23年度)に挑戦することにした。
 ―会社の体制と事業展開はどのようなものになるのか。
 2件の優先交渉権者に選ばれたので、業務量から勘案すると参加16社から40―50人程度新会社へ出向してもらう形になると思う。社長は私が務め、他に現時点で3人の方に取締役になってもらう予定だ。
 事業の進め方としては、例えば草刈りをする場合、設計書通りの回数をこなすのではなく、小まめに行うことで作業1回当たりの労力や草刈り機への負担を軽減させる、短い状態で刈ることで処分費用を発生させずに済ませる。こうした工夫を凝らして業務の効率化を図っていきたい。
 また、当協会には樹木医がいるので、枯れている木を診断し、必要に応じて苗木に植え替えたり、危険木は伐採したりなど造園業者の技術と視点を取り入れた管理を進めていければと考えている。草刈り用に改良したスチーム機も所有しており、洗剤でも落ちにくいトイレの汚れを取ることができるため、トイレの美化にも取り組みたい。
 ―新会社への思い、抱負を。
 造園業者の仕事はきれいにすること。「何で造園業者が公園管理を」と思われる市民の方がいるかもしれないが、造園業者ならではの取り組みで、きれいで使いやすい公園を維持し、2―3年後にわれわれの思いや取り組みを理解してもらえたらうれしい。
 5年、10年後も公園の指定管理に積極的に関わり、将来自信を持って「旭川の緑の保全、管理はわれわれに任せてくれ」と言えるようになりたい。
 奥野 泰隆氏(おくの・やすたか)1964年1月1日生まれ、55歳。旭川市出身。82年に旭川農高を卒業後、家業の緑建産業(旭川)を継ぎ、23歳で社長に。16年度から道北造園建設業協会会長に就任し、現在2期目。