東京都建設局南多摩西部建設事務所は、多摩川水系南浅川のうち横川橋〜南浅川橋の延長約2・5`区間を対象に整備内容の検討を開始した。時間雨量65_への対応を視野に入れながら、川の水を安全に流下させられるよう、護岸整備や河道拡幅、河道掘削といった治水対策の内容を検討するとともに、良好な河川環境の保全・再生や水辺空間の創出につながる対策についても検討し、基本設計委託の条件を整える。
南浅川は、神奈川県境に位置する景信山付近を水源に東側に流れ、八王子市高尾町で支川の案内川と合流し、JR中央線や甲州街道と並行して流れた後、同市元本郷町地先で浅川に合流する延長8・1`の河川。床固め工や河川防災工事を実施しているが、これまでの整備目標としていた時間雨量50_の対応はまだ完了していない。
都は浅川合流点〜上椚田橋上流の延長約5・5`を整備区間と位置付け、流下能力が不足している区間や護岸が老朽化している区間を中心に、護岸整備や河床整備を実施する。また、旧河川敷など河川幅に余裕のある場所で、水辺に近づくことができるような緩傾斜護岸や階段護岸を整備する他、多様な生物の生息・育成の場を保全・確保するため、湾曲部での瀬や淵の形成、落差工の整備や植生などに取り組む考え。
この方針を踏まえつつ、まず下流域の横川橋上流〜南浅川橋下流の延長約2・5`区間で、事業内容の基本検討を行う。現地踏査の結果を基に河川利用などの観点から考えられる事業の課題・制約条件などを整理し、基本設計の委託に必要な事業内容や調査内容をまとめる。
業務は和建設計事務所(新宿区)が担当し、年度内に取りまとめる。
提供:建通新聞社