八千代市は11日、少年自然の家の老朽化対応等に係る官民連携によるサウンディング型市場調査の実施要領を公表した。同施設は老朽化に加えて耐震性も不足しており、改修のための費用として概算で12億8900万円と多額の費用が見込まれることから、公共施設等総合管理計画のアクションプランに位置付け、更新・大規模改修だけでなく、他自治体の施設利用も含めて今後の方針を検討し、決定する。その一環として今回、民間事業者との対話を通じて民間活力導入の可能性を探ることにした。
対話(市場調査)に参加できるのは、事業実施の主体となる意向を有する法人、またはそのグループとする。参加事業者のアイデア及びノウハウの保護のため個別に対話を行い、参加事業者の名称も公表しない。調査に関する事務局(連絡先)は少年自然の家。
2月5日に現地見学会と現地説明会を開き、参加受付を開始。その後、同21日に参加受付を締め切り、同27日から3月1日まで対話を実施する。対話の内容は、@事業方式A実施事業B施設改修C経営計画Dその他。実施結果については、3月下旬に概要を公表する予定。
事業方式に関しては、事業主体(民間または公共)、運営及び改修の方式、事業期間(指定管理者の場合は指定期間)、価格等の目安(民間事業の場合は貸付金額または買取金額、公共事業の場合は指定管理料)について対話を実施。
また、実施事業に関しては基本コンセプト・事業内容、魅力アップの工夫、施設改修に関しては改修方法、概算費用、経営計画に関しては想定利用予測(施設稼働率)、料金設定の考え方、収支見込み等について対話を実施。
そのほか、少年自然の家の優位性や潜在的可能性、事業推進・施設運営上の課題・問題点等、市内や地域に対するメリット、近隣他市に対するメリット、市が積極的に協力すべき事項などについても民間事業者に意見を聞く。
同市少年自然の家(保品1060−2)は、1974年に開所。敷地面積は2万6475・53u(2万2570・00uは借地)。建物規模はRC等3階建て、建築面積2054・31u、延べ床面積3490・06uで、73年度に竣工(96年に一部改築)。
1階に体育室、食堂、コミュニティホール、浴室(男女)、保健室、2階にプラネタリウム室、研修室、リーダー室、ギャラリー、和室、3階に宿泊室(洋室20室、引率室2室、定員220人)、屋上に天体観測室(ドーム型天体望遠鏡)を備えている。
また、野外施設としてキャンプファイヤー場や野外炊事場(20区画)、芝生広場(8562u)、流水実験場、岩石観察園、植物観察園、野鳥観察室(別棟46u)、オリエンテーリング・ウォークラリーコース、駐車場(身障者用1台を含む26台)などがある。
建物は老朽化に加え、08年度に実施した耐震診断でIs値が0・48と耐震性が不足していることが指摘されている。また、年間の利用者数は約1万1000人と一定程度はあるものの、開館日271日に対して入所日数は142日で約50%は来場者がいない状況。
現状の施設を今後も利用するには、耐震補強や大規模改修が必要で、設計費として耐震補強設計2232万2000円、改修設計1852万2000円の合わせて4057万4000円。工事費として耐震補強工事1億7495万円、大規模改修工事8億7475万円、EV設置2000万円、プラネタリウム更新1億7874万円の合わせて12億4844万円。合計で約12億8900万円が見込まれる上に、施設のランニングコストや運営費用、人件費、借地料等もかかる。
一方、県や国などの保有する施設を利用した場合、こうした費用はかからないものの、利用者数や日程、プログラム等で制限を受けることになる。