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日本工業経済新聞社(茨城)
2019/01/10

【茨城】ひたちなか市が統合小に63億円試算/19年度から校舎着工


 ひたちなか市は平磯・磯崎・阿字ヶ浦地区統合校の基本構想を公表した。建築物の延べ床面積は1万4706・22u、敷地面積は5万8400u。敷地北側に校舎棟を、西側に体育館やプール棟を整備。建設費や設計費に用地取得費なども含めた現段階の概算事業費は約63億円を試算。ことし2月ごろに実施・詳細設計をまとめ、2019年度から学校施設と通学路整備に着手する。開校は21年度を目指す。
 全国的な人口減少が進む中で市内の人口は横ばい状態にあるが、平磯・磯崎・阿字ヶ浦地区では少子化による人口減少が続いている。東日本大震災による学校施設の被災をきっかけとして、3地区の小中学校の再編を求める声が寄せられるようになった。
 これを踏まえ市では、より良い教育環境実現のため平磯・磯崎・阿字ヶ浦の3小学校と2中学校を統合し、市内初となる小中一貫校を建設することとした。設計は17年度から椛釜a技術研究所(東京都品川区)が担当している。
 建設地は磯崎町5122ほか38筆の5万8400uで、現況は畑地。
 施設の概要は校舎棟がRC造2階建て、延べ1万465・9u、体育館がRC造2階建て、延べ3213・6u、プール棟がS造平屋1026・72u。校庭には軟式野球エリア、共用グラウンド、テニスコート(4面)、小学校用グラウンドなどを整備する。駐車場は外来用が85台、職員用が65台。
 施設整備の方針としては、学年段階の区切りや異学年交流に対応した空間を構成する。バリアフリーへの配慮として教室棟にエレベーター1台を設置。全棟に多目的トイレも配備する。
 また防災拠点として活用する機能も確保。避難所として利用する際などにマンホールトイレの設置を可能とする。太陽光発電設備も整備する。
 そのほか花と緑にあふれた環境づくりやこの地域特有の砂塵への対応として敷地周囲を防風林で囲む。加えてライフサイクルコストの縮減や環境負荷低減に配慮した施設整備も行う。
 通学路については必要な箇所に新たなグリーンベルトや防犯灯を設置し、安全性の確保を図る。また学校周辺についても主要道路の拡幅や歩道整備を行う。学校西側の市道7号線と新駅への進入路である市道226号線が交わる交差点では信号機設置を関係機関と協議する。
 児童や生徒の多くが通学に利用するひたちなか海浜鉄道湊線では、学校近くに新駅を整備する。20年度に施工する予定だ。
 なお概算事業費として算定した約63億円には新駅整備や周辺道路整備費は含まれない。担当課の教育委員会施設整備課は「まだ設計を策定中の段階なので、金額については変動する可能性もある」と話した。