大野市は、「民俗資料館保存活用計画(案)」を公表した。今後、移築に併せ、耐震補強工事も進めるとしている。
柳廼社内にある民俗資料館は、県内に現存する唯一の明治時代に建築された裁判所建物で、市の文化財建造物に指定されている。計画の基本方針では、城町1―5の大野簡易裁判所跡地に移築することで、和風の建造物が越前大野城、武家屋敷旧内山家などと一体になり、時代の流れと「結の心」を感じることができるとした。効果的な企画展や展示替えを計画的に行っていくため、学芸員を配置し、博物館法による指定を受け、博物館相当施設として整備を行っていく。
また、積雪量を150センチと仮定し、震度6強の地震を想定した場合で耐震診断を行った結果、「倒壊の可能性が高い」と判定された。そのため、建造物補強計画を作成し、移築に併せて耐震補強工事も実施するとしている。
移築部分の規模はW造平屋建て359平方メートル。また、収蔵庫(W造2階建て延べ約320平方メートル)の新設や庭園、外構工事も予定する。
移設に向けた基本設計および耐震診断は西川建築設計事務所(大野市糸魚町)が担当。
なお同市では22日まで、計画(案)についてのパブリックコメントを実施している。問い合わせは教育委員会生涯学習課文化振興室(0779―65―5520)まで。