高知県と高知市は12月27日、合同で南海トラフ地震対策連携会議を開き、取り組みを進めている長期浸水対策など13項目について、2018年度上半期の状況や今後の課題、19年度予算要求の要点などを県市の担当者が報告した。
止水や排水などの長期浸水対策では、県が河川堤防・海岸堤防・排水機場の耐震化、市が公共下水道雨水ポンプ場や下水道幹線管路の整備を進めている。このうち県事業の河川堤防では、18年度に介良川や国分川、久万川などで耐震工事を進めており、19年度も引き続き優先度の高いエリアの整備を実施する。海岸堤防では19年度、新田町で耐震工事、桟橋通で調査設計を継続する他、中の島地区での調査設計に着手する。排水機場では、鹿児第2排水機場の耐震工事を進めており、19年度も優先度の高いエリア整備を実施する。
市事業では、公共下水道雨水ポンプ場の耐震化に向け、19年度は下知水再生センター管理棟の改築工事、瀬戸水再生センター場内雨水ポンプ場の耐震診断を継続する。下水道幹線管路では、中心市街地の合流幹線管渠の耐震化工事を継続実施する予定。
この他の取り組みでは、遺体対応について市が斎場の増改修を計画、現在設計変更を行うため関係機関と協議を進めている。改修内容は収骨室の増築や霊安室・小式場の移設などを予定している。
廃棄物対策については、市がし尿処理施設震災用プラント用水・燃料備蓄の検討を進めている。敷地内に予備水源として井戸を建設する他、3日分の燃料備蓄が可能な地下タンク新設を計画している。
火災対策については、市が旭駅周辺市街地整備事業を進めており、19年度は下島町都市再生住宅(第2期棟)解体・新築工事、下島地区の公園整備工事、中須賀地区の老朽住宅建築物の買収除却などを進める。
住宅の耐震対策では、県が19年度に耐震診断1700戸、耐震改修設計1300戸、耐震改修工事1100戸、コンクリートブロック塀耐震対策420件などの補助を計画。市は木造住宅の耐震補助580棟、老朽住宅除却30棟などの補助を進める他、木造住宅1000棟の耐震診断に向け耐震診断士の無料派遣など啓発活動も進める。
提供:建通新聞社