日本電産梶i代表取締役会長永守重信氏、京都市南区久世殿城町338)は、向日市のJR向日町駅東側に日本電産グループの企業を集積させるための新拠点の建設を構想している。工事着工は2020年末から2021年初め頃の見通し。設計は都市居住文化研究所(京都市中京区・075−252−2231)。施工者は未定。
施設概要によると向日市森本町の敷地約6万uに、計4棟(延約15万4700u)を建設する予定。建物構成は、事務所棟1棟(第二本社=15階建、延3万3600u)、生産研究棟3棟(A棟=6階建、延2万4200u/B棟=8階建、延5万0100u/C棟=9階建、延4万6800u)。名称はいずれも仮称。
事業ニーズを踏まえ、段階的な建設を予定している。竣工時期は▽第一期(A棟、C棟一部)=2022年3月見込み▽第二期(B棟、C棟残り)=2025年〜2026年▽第三期(第二本社)=2030年−の予定。
投資予定額は土地・建物、設備など総額約2000億円。
建設用地は、京都市南区の本社ビルとJR向日町駅(向日市)間の駅東側にあり、本社ビルと接した立地。本社ビルと新拠点を1ヵ所に集約させることで業務の効率化を図る。
新拠点には、日本電産の規模拡大に伴い一部機能を移すとともに、日本電産シンポ梶i長岡京市)の研究開発拠点の新設や日本電産リード梶i京都市右京区)の本社移転も第一期として実施する予定。最終的には5000人体制を目指す。
用地選定の経緯について、日本電産では新拠点建設に向け日本全国の候補地を広く検討していた。本件用地(向日市森本町)では地元の地権者や行政から新たなまちづくりを推進したいとの声が上がり、その機運のなか同社を誘致。本件用地が同社本社ビルに近接していることもあり、第一候補として地権者や向日市と協議を進め、このほど本件用地の購入につき地権者との協議が整ったもの。
同社グループの製品群は、小型精密から超大型に至るフルラインのモーターにとどまることなく、ファン、コントローラ、センサ、変減速機、ポンプといった周辺部品と組み合わせたモジュール製品・システム製品や、ロボット部品、プレス機、検査装置等の設備機器等へと広がってきている。
グループの成長を更に促進させるべく、21世紀型製造業を目指し、2014年に中央モーター基礎技術研究所(川崎市幸区)、2018年に生産技術研究所(精華町)をそれぞれ建設した。
このほど、2030年度10兆円というグループ売上目標の達成に向け日本電産グループ企業間の連携をより一層高めるため、同社の第二本社機能、グループ会社の本社や技術開発センターなどを集約する新拠点の建設構想を策定。1月8日に発表した。