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建通新聞社(神奈川)
2019/01/09

【神奈川】横浜市 大黒海保施設の初弾区間で胸壁設計

 横浜市港湾局は大黒ふ頭の海岸保全施設整備で、埠頭西端に位置する1号物揚場の背後600bを初弾区間に位置付けて胸壁詳細設計をスタートさせた。フェンス基礎嵩上げタイプの胸壁とする方向でおり、サンコーコンサルタント(横浜支店、横浜市中区)に業務を委託した。2018年度内に工事発注図書をまとめ、19年度以降の工事につなげる。
 大黒ふ頭(鶴見区)は面積322fの島式埠頭。コンテナや完成自動車の輸出入を担うとともに、冷蔵・冷凍貨物を扱う倉庫群が立地する横浜港の物流拠点で、首都高速湾岸線・大黒ジャンクションなどによる幹線道路の結節点機能も果たしている。ただ、百数十年に1回程度起こる津波(L1津波)で広範囲の被害が予想され、高潮による浸水予想も1b以上2b未満と市域の中で最も深い。
 このため胸壁約7`と陸閘約50基で構成する海岸保全施設を整備し、津波と高潮から守られた堤内地を形成して就業者の安全を確保する。胸壁は、地盤からの平均高さが▽約0・8bの胸壁▽約0・6bのフェンス基礎嵩上げ▽約0・5bの護岸嵩上げ―の3タイプを予定。地盤沈下した道路などの嵩上げも一体的に進める必要がある。19年度の早期着工、22年度の完成を目指している。
 初弾区間となる1号物揚場背後600bの胸壁は、道路などとの境界に立つフェンスを、浸水防護高(海抜2・71b)を満たす基礎を持ったものに造り替える形で整備する方向。今回の業務委託の中で測量や地質調査も行い、その結果を基に最適な構造形式を具体化するなどして工事発注図書を作る。19年3月29日が履行期限となっている。
 区間内の出入り口に設ける陸閘については別途、開閉の運用方法を含めた陸閘全体の計画検討を通じて構造形式などを固めるという。
 19年度以降も後続の区間を順次選んで詳細設計や工事を展開していく。

提供:建通新聞社