日野町と滋賀県土地開発公社が、先月20日付で「日野町西大路地区定住宅地整備事業の実施に係る協定」を締結した。
少子高齢化などにより減少傾向にある同地区の定住人口を増やすため、面積約0・8f(戸建住宅地約25区画)の宅地整備を、ノウハウを有する県土地開発公社が町に代わって行なうもので、「できる限り早期に実現したい」との町の考えから、今年度中にコンサルタント業務に取り掛かる考えで、近く同公社から発注される見通し。19年度中に用地買収、測量設計、許認可業務を完了し、同年度後半から造成工事(約半年)、20年度後半(21年初め)から分譲開始―を目指していく。
事業費は1億7681万5千円。県土地開発公社が用地買収から測量設計、造成工事、分譲まで実施するための事業費借入に対し、町が債務保証を行なうことを担保する目的で、6月補正で債務負担行為(18〜23年度)を設定した。見込み通り宅地が完売できれば町の支出は不用となる見通し。
宅地整備が計画されている西大路地区の国道477号沿いは、都市計画の市街化区域で住居系に指定されている。過去に、組合施工の土地区画整理事業(面積約16f)が計画されたが実現せず、逆線引(市街化区域から市街化調整区域への編入)の可能性が懸念される状況となり、町は16年度に不退転の決意で市街化誘導を行なう方策の検討を実施(担当=株ェ州京都営業所)。この報告書をもとに17年度に地元と協議を進め、昨年3月、地元・西大路自治会から地権者の同意書を添えた宅地整備に係る要望書が提出されたことから、公社と協議を進めてきた。
今回宅地整備を行なうのは、検討調査を行なった4つのゾーン6候補地の一つ。現在、町は西大路地区を含む町東部地域の活性化に向け、日野東部広域農道のミッシングリンクを解消、通勤時間帯の渋滞が慢性化している国道307号を補完する南北幹線・町道西大路鎌掛線の整備を進めており、田園回帰による都市からの移住がこの地域にもある今を好機と捉え取り組みを進め、今回を第1弾として成功させ、第2弾、第3弾への拡大を期待する。
日野小学校区で、旧市街地に隣接して区画整理され形成された新市街地に人口集中が進み、町の人口は自然減を社会増で補う状態で微減傾向。西大路地区は、校区は変わるが市街地に連なる地区。
提供:滋賀産業新聞