滋賀県商工観光労働部が計画している「信楽窯業技術試験場」(甲賀市信楽町長野)の移転について、このほどその整備スケジュールおよび概算事業費などからなる基本計画(素案)が明らかになった。県議会常任委員会の中で示されたもので、それによると2019年度に設計、2020年度から2ヵ年で建築工事。概算事業費は約9億9000万円(現試算)となっている。
現在の信楽窯業技術試験場は、40年以上前に建設。業務は製品試験などの技術支援や窯業技術者の研修、技術開発など。老朽化から当初は現地建て替えが検討されたが、地元などから陶芸の森と連携を強めることで、商品開発力や情報発信力が高まるとして、同森近辺の移転が要望されていた。
移転予定地は国道307号から陶芸の森方面へ約100b入った民有地で、ここを甲賀市が買い上げ、県が新試験場を建設後に現在の試験場がある県有地と交換する。民有地は甲賀市が2019年度に取得・建物解体。県はこの敷地を使って2020年度から2ヵ年で建物を建設し、2022年度からの供用開始を目指すとともに、供用開始後に既存施設の解体撤去を行う段取り。新しい施設の建物規模は、試験分析機器や試作装置の効率的な配置により、現在の延床面積の半分程度まで縮小し、約1600平方b程度となる見通し。整備される棟は焼成棟、調土棟、そして本館棟―以上3棟の予定で、本館棟のみ2階建、焼成棟、調土棟は平屋建となる。
概算事業費の内訳は、調査・設計費(基本・実施・地盤調査)が4000万円、建築設備費(建築工事・電気設備・機械設備・工事監理)が7億4000万、移転・解体費(設備機器移設・解体工事)が2億1000万円―以上の計9億9000万円。
信楽窯業技術試験場の現施設は、敷地面積7561平方b。ここに▽本館・RC造2階建、延608平方b、▽開放試験室及び試作成形室棟・RC造2階建、延576平方b、▽固形鋳込成形室棟・RC造平屋建、91平方b、▽肉厚大物乾燥室棟・S造平屋建、63平方b、▽調土室棟・RC造2階建、延698平方b、▽第1焼成室棟・S造平屋建、612平方b、▽第2焼成室棟・S造平屋建、201平方b、▽その他(車庫、電気室等)延395平方b―等が整備されている。
提供:滋賀産業新聞