東洋紡の子会社で高耐熱性ポリイミドフィルム「ゼノマックス」を生産・販売するゼノマックスジャパン(中村英弘社長)の本社工場が完成し、17日に敦賀市東洋町地係の東洋紡敦賀事業所内で竣工式典が行われた。中村社長は式典後に報道陣の取材に応じ、今後5年をめどに引き続き第2、3工場の建設へ意欲を示した。
ゼノマックスジャパンはガラスやシリコンウエハーと同等で、ポリマーフィルムとして世界最高レベルの寸法安定性を持つ、高耐熱性ポリイミドフィルム「ゼノマックス」生産・販売会社として東洋紡と長瀬産業が4月に設立した合弁会社。
式典にはゼノマックスジャパンの中村社長をはじめ、長瀬産業の朝倉研二社長、東洋紡の楢原誠慈社長のほか、西川一誠知事、渕上隆信敦賀市長ら約70人の関係者が出席した。玉串奉奠や神酒拝戴など新工場の完成を祝った。施主代表挨拶で中村社長は「福井で国体が開催された年に我々はスタートを切ることができた。この敦賀の地を起点にアジアや世界へ拡大していかなければならない」と決意を新たにした。西川知事は「人口減少や福井県の魅力を発信する時期を迎えるなか、新工場が竣工したのは本当に力強い味方。U・Iターン政策を進める上でも大きなサポートを頂いた」などと感謝の意を述べた。その後、関係者らによるテープカットを行い新工場の門出を祝った。
竣工式の後、中村社長が報道陣の取材に応じ、地元雇用の貢献について「次に第2、第3工場を予定しており、なるべく地元を中心に拡大したい」と意欲を示し、「遅くとも5年単位くらいで第2、第3工場を進めていけたら」と敦賀事業所内に土地を確保し、今回竣工した本社工場と同等規模で検討していることを明らかにした。
ゼノマックスジャパン本社工場の規模はS造2階(一部5階)建て延べ約4300平方メートル。投資額は約30億円。設計・施工ともに東洋紡エンジニアリングが担当。