東京都建設局は「仙台堀川護岸耐震補強工事(その4)」を技術者育成モデルJV工事として発注することを決めた。都市整備局所管の都営住宅工事2件と、建設局所管の河川工事に続く第4弾で、2018年度に試行する最後の案件。大企業と都内中小企業による2者編成のJV結成を入札参加条件に設定し、構成員となる中小企業に45歳以下の技術者を配置することを求める。工事発注規模は「A03」(予定価格7億円以上9億円未満)で、2019年1月中旬に技術実績評価型総合評価方式による一般競争入札を公告する。
今回の工事では、江東区深川1丁目〜平野1丁目の延長408b区間の両岸で、護岸を耐震化する。工期は470日間。
モデルJV工事は、入札契約制度改革の本格実施に合わせ、都内中小企業の技術研さんの機会を創出し、技術力を確保・向上させることを目的に試行している。第1順位企業(代表構成員)を大企業、第2順位企業を都内本店の中小企業とするJV結成を入札参加の条件とする。都内中小企業には、3カ月以上の直接的・恒常的な雇用関係にある45歳以下の技術者を1人以上配置することを求める。
また、都内中小企業の技術者の育成に関する成果(習得した技術)と、その成果を企業内にどのようにフィードバックしたのかについて報告書を提出してもらう。
「ひとくちメモ―18年度の取り組み検証し、19年度以降の制度の在り方検討」
技術者育成モデルの対象とする工事は、建築が「予定価格9億円以上WTO政府調達協定基準額(22億9000万円)未満の工事」、土木が「予定価格7億円以上WTO政府調達協定基準額未満の工事」の中から選定する。
これまでに発注した建築工事2件では、「都営住宅30H―109東(江東区辰巳一丁目)工事」の落札者が決定した一方、「都営住宅30H―106西(多摩市諏訪五丁目)工事」ではJVによる参加申請がなかったため、混合入札に切り替えて再入札し落札者が決まった。土木工事の「石神井川整備工事(その163)」については参加要件を満たすJVの参加申請があったため、19年1月に開札して施工者を決める。
都では今後、18年度に発注した工事の入札参加の状況や技術者の配置状況などを検証しながら、19年度以降の制度の在り方や取り組みの方向について検討していく考えだ。
提供:建通新聞社