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日本工業経済新聞社(茨城)
2018/12/06

【茨城】ひたちなか市中丸川整備促進要望

 ひたちなか市はこのほど、一級河川中丸川の改修促進に関する要望書を県土木部に提出した。市が中丸川単体で要望活動を行うのは今回が初めて。多目的調整池の堤体および親水機能を確保した河川改修を推進するため、2019年度予算編成における大幅な予算確保を要望。伊藤敦史土木部長は「河川事業の予算を確保できるよう、市と協力しながら国へ要望を行ってまいりたい」と述べた。
 中丸川は那珂台地と呼ばれる起伏の少ない平坦な台地にくさび状に入り込んだ中小河川の本川。台地には勝田駅を中心に市街地が形成され、台地縁辺部には豊かな緑が帯状に連なる。
 市では都市化の進展に伴い、都市型水害が頻発してきたため1998年から中丸川上流域の雨水幹線を計画的に整備してきた。また下流域の整備は大川合流点付近までは進んできたものの、依然として上流に向けて整備する区間は残っている状態。道路などの冠水、昭和通り線より上流域での床上床下浸水の発生などが課題となっており、緊急の整備が求められる。
 特に多目的調節池は市の親水性中央公園と一体的に整備しており、7月28日に公園が先行してグランドオープンした。しかし中丸川が3面コンクリート張りの状態であるため、河川へのアプローチなど水に親しむという本来の機能が失われている。また公園利用者の安全確保も難しく、市民からは治水対策を含めた整備が強く求められている。
 要望書の提出後、県土木部が事業概要を説明。那珂川合流点から6・4q区間においては河道改修を進めるとともに最上流部で多目的調節池の整備を進めている。
 河道改修に関しては17年度までに3・5qが概成。本年度は道栄橋の護岸工事や大川合流点までの掘削工事を進める。
 また調節池については16年度までに工事に必要な用地買収が完了。即効性のある対策として昭和通り下流の市道ボックス部にバイパス水路を設置したところ。
 そのほか調節池の堤体の検討を進めるとともに、予算確保の観点から100o/h安心プランの登録に向けて市と協力して事業を進める。
 伊藤土木部長は「中丸川上流の市街地の浸水被害軽減を図るため整備を推進していく。調節池の整備には時間がかかるため、洪水を貯める工夫をしながら段階的に治水安全度を上げていく。調節池内の公園の親水性については、木製の簡易的な階段護岸を整備して試験的に環境学習のフィールドを作りたい」と話した。