8月に新造船の大型フェリーの就航が開始した東予港中央地区において今後、航路幅員を150b(マイナス7・5b)から190bに拡幅する浚渫工が始まることとなった。2025年度の完成を目指す。事業は国土交通省が14年度から東予港中央地区複合一貫輸送ターミナル整備事業として進めており、これまでに耐震岸壁(マイナス7・5b)や暫定航路(幅員150b)・泊地浚渫、臨港道路、埠頭(ふとう)用地などの整備が完了しているが、浚渫土砂の処分地の容量不足から航路幅員を暫定150bで整備していた。
同事業の計画段階では、航路幅員を190bとして計画されていたが、東予港内での浚渫土砂の処分場不足があるとともに、大型新造船の就航時期や大規模災害発生時の緊急物資輸送拠点などの観点から早期整備が求められていたため、航路幅員を暫定の150bで整備が進められ、掘削土砂の処分先が決まるまで航路幅員を150bで暫定供用するとして、8月に供用を開始した。
国交省では、浚渫土砂処分場所の確保を関係機関と調整を進めた結果、このほど広島県内への搬出が決まったことから、事業計画を見直すため11日に事業評価監視委員会(橋本親典委員長・徳島大学教授)を高松市で開き、航路の拡幅整備を諮り事業継続は「妥当」と判断され、承認された。
事業計画の変更により前回の事業評価(16年度)では、事業期間は14〜20年度までの7カ年で事業費は128億円だったが、変更により事業期間は25年度までと5年間延び、事業費は55億円増加し183億円となった。事業費の増減内訳は航路の拡幅に約51億円増、岸壁整備に伴い想定外の埋蔵構造物撤去・処分や汚濁防止膜設置などに約7億円増、臨港道路や埠頭(ふとう)用地整備で約2億円のコスト削減を図り、合計で55億円増となっている。18年度末時点の事業進捗率は70%となっている。
19年度以降の整備計画は、20・21年度でマイナス7・5bの耐震岸壁(延長260b)で舗装打ち替え、19〜25年度で航路拡幅(12万1000立方b)を整備する。
東予港は1964年に重要港湾に指定され、背後地には非鉄金属工業や化学工業など数多くの企業が立地しており、地域経済や地域の物流を支える拠点となっている他、四国では唯一、大阪港とのフェリー航路が就航、今年には新大型フェリーの運行が開始されている。
提供:建通新聞社