香川県は、自転車交通の役割拡大による良好な都市環境形成を目標に、自転車通行空間の計画的な整備促進など「自転車の活用の推進に関する」各種施策を盛る、「県自転車活用推進計画(案)」を定めた。「香川県自転車の安全利用に関する条例」に基づく点検整備や損害保険などの独自色や、県内サイクリングルート設定など、既存施策も計画案に位置付けた。12月17日から市町意見も含めたパブリック・コメントを開始。計画(最終版)の確定後に2020年度まで施策に基づく具体的な措置を展開する。
16年12月公布(17年5月施行)の自転車活用推進法や、今年6月に閣議決定した国の自転車活用推進計画を踏まえ、香川県の実情に応じた計画案を定めた。
計画案は、県全域を対象に長期的な展望を視野に入れつつ、20年度まで自転車活用の推進に関する、▽自転車交通の役割拡大による、良好な都市環境の形成▽サイクルスポーツの振興等による活力ある健康長寿社会の実現▽サイクルツーリズムの推進による観光立国の実現▽自転車事故のない安全で安心な社会の実現―など四つの目標に向け、各種施策を展開する。
例えば、実施すべき施策では自転車通行空間の計画的な整備促進、地方公共団体と鉄道事業者の連携強化による地域の駐輪ニーズに応じた駐輪場整備促進や、自転車中心のまちづくりと連携し、生活道路の通過交通の抑制と無電柱化と合わせた、自転車通行空間の整備についての総合的な取り組みを展開する。
具体的に、自転車ネットワーク整備計画に基づく自転車通行指導帯(県道高松東港線、県道高松停車場栗林公園線)の整備を実施する。
また、路肩や交差点等自転車通行空間の安全姓・快適性の改善や、コスト縮減に関する事例の、市町への周知の他、路外への駐輪場設置を推進するとともに、地域ニーズに応じた駐輪場設置の促進を図るため、国における検討結果を踏まえ県の占用基準の検討なども挙げた。
市町が策定する自転車活用推進計画に基づき、コンパクトシティー形成の取り組みや、まちづくりと連携した自転車通行空間の整備、駐輪場整備とシェアサイクルのサイクルポートの設置などが進むよう、技術的な助言を行うことも計画案に盛り込まれた。
今後、県内市町も県計画を踏まえ、自転車活用推進計画を策定するが、法律上は努力義務。計画策定を推進するため、国土交通省は推進計画策定に位置付けた施策に、交付金措置を考慮するとしており、同市町計画の策定は進展する見通しだ。県も11月に市町に対し国の計画趣旨などについて説明会を行った。
提供:建通新聞社