県生活・文化課楼門等建設推進室は、9月に着工した鶴丸城御楼門建設で事業費が約1億8000万円増加することを明らかにした。主な内容は、瓦、金物等の工事や基礎工法の見直しなどに伴うもの。増加分は、個人・企業からの寄付や瓦への記名(有料)などを含めて、財源の手当ての検討を進める。総事業費は10億9000万円となる。
増加の内訳は、防犯設備設置や避雷針の見直し、鳩よけ設置経費の増加に2000万円。事前購入した県産マツの腐れや虫食い、大径木ケヤキの髄割れに伴う代替材の購入に3200万円のほか、瓦4000万円、金物700万円、木工事3000万円−など。
見直し内容は、瓦を家紋入りの鬼板としていたが出土した鬼瓦の約9割が鬼面のため、鬼面瓦(19枚)とする。金物工事では、扉開閉のために柱に取り付ける壷状の肘壷金物(8個)は、2段式から3段式に変更。大扉の金物は四葉(70個)とする。
木工事は、妻側左右の石垣上に新たな板壁を設置。復元する御楼門の重量を精査した結果、当初設計より重量が増加するため、各部材の断面寸法を大きくしたほか、耐力壁や桔木等を一部追加。
基礎工法の見直しは、礎石周辺に十分な地耐力が確認されたことを受け、木材のみの工法で耐震基準を満たすため、耐圧盤のみを設置し、鉄骨フレームは万が一、将来的に礎石の沈下が見られた場合、後施工する方向で調整する。
建物規模はW造2階建215.23u(二重2層)。鯱までの高さは約20m、幅が2階部分柱間で約20mある。
施工は江藤建設工業・丸久建設・宇都組JV、基本・実施設計は、県建築士会(守真和弘会長)が担当。工期は2020年3月末まで。