鴨川市は14日、PFI事業(BTO方式)で実施する「鴨川市中継施設整備・運営事業」の実施方針を公表した。今月25日まで質問を受け付け、来月16日に説明会を開催する。その後、来年4月1日に特定事業に選定し、公募型プロポーザルの募集要項等を公表する。参加資格申請書の提出期限は5月24日まで。提案書の提出を7月31日に締め切り、8月30日に優先交渉権者を選定・公表する。
家庭系及び事業系の燃やせるごみを対象とし、処理施設の規模は処理能力を日量42t以上とする。処理対象物の受け入れ及び燃やせるごみは圧縮、資源ごみ等は受け入れ及び貯留し、圧縮した燃やせるごみをコンテナに積み込み、市が指定する受け入れ施設まで運搬する。
事業者の業務範囲は▽事業用地の確保等▽測量・地質調査等▽施設の設計・整備▽維持管理▽運営▽住民合意の形成▽土地利用契約の締結など。
事業スケジュールは、設計・整備期間が19年12月から21年3月まで。運営期間が21年4月から41年3月まで。19年12月に事業契約を締結。その後、施設の設計・整備に着手し、21年3月までに整備を完了させ、同年4月から施設の維持管理・運営を開始する。
事業者の選定は公募型プロポーザル方式により実施。応募者は、中継施設のプラント設備の設計・建設業務、建築の設計・建設業務、プラント設備の運転管理業務、プラント設備の保全業務及び燃やせるごみの運搬業務並びに工事監理業務を担う企業で構成。代表企業は、市内に本店または支店を有し、応募時点で市内に事業用地確保の見通しがあることなど。プラント設備の設計・建設業務を担う企業は、一般廃棄物処理施設のうち、粗大・リサイクル施設の設計建設実績または中継施設の設計建設実績があること、一級建築士事務所登録を行っていることなど。
同事業は、老朽化する「鴨川清掃センター」に代わる新たな燃やせるごみの中継施設、不燃ごみ及び資源ごみのストックヤードを整備するもの。
事業方式については、公設公営方式、公設民営方式、PFI方式を比較検討。LCCの算定では、名目価値で公設公営が約68億3000万円に対し、BTO方式は約66億円となり、公設公営より約2億3000万円安価となった。また、現在価値でも公設公営の約46億4000万円に対し、BTO方式は約43億3000万円で3億1000万円安価となり、6・6%のVFMが得られた。このほか、事業用地を民間事業者から提案させることができるなど、市の財政負担の縮減や民間事業者のノウハウの活用・リスク移転などの効果が期待できることからBTO方式を選定した。事業費は、設計・建設費に13億7430万円、造成費に1億3338万円、用地費に9750万円、アドバイザー費用に4000万円を見込む。