横浜市は新本牧ふ頭の基部約40fを市施行の第1期地区と位置付けて2019年度に事業化する。リニア中央新幹線(リニア)のトンネル掘削土砂などで公有水面を埋め立てて、高度な流通加工機能を持つロジスティクス拠点を形成する。リニアを手掛けるJR東海の負担などで外周護岸やインフラの事業費約900億円を捻出し、市が大半を整備する方向だ。19年9月までに埋め立て免許手続きを終えて同年10月の着工を目指す。平成30年代後半の完成を予定している。
新本牧ふ頭は本牧ふ頭D突堤(横浜市中区)の東方沖公有水面を埋め立てて整備する。埠頭外周部に総延長約4980bの規模で生物共生型のケーソン護岸や水深18b以上の鋼板セル岸壁(1000b)を築造するなどして、本牧ふ頭D突堤から続く▽埠頭用地102・7f▽交通機能用地2・8f▽緑地3・6f―を造成。その先に浚渫土砂や建設発生土などの海面処分用地34・5fも確保して、突端に延長150bの防波堤を造る。
市と国土交通省関東地方整備局による事業化前の環境影響評価手続きが18年度内に完了する見込み。また、市は第1期地区の整備に関わる漁業補償について市内の漁業協同組合3団体と合意した。
第1期地区の埋め立て土量は約900万立方bで、リニアのトンネル掘削土砂を20〜25年度に約600万立方b、市内の建設発生土を10年間で約300万立方b(1年当たり約30万立方b)受け入れる。
事業費約900億円は▽外海側外周護岸980b=500億円(JR東海500億円)▽内海側外周護岸350b=220億円(JR東海100億円、国80億円、市40億円)▽インフラ(道路、上下水道、緑地など)=180億円(国20億円、市180億円)―の内訳。JR東海が市に対し、リニアトンネル掘削土砂の受け入れ要請に併せて護岸整備費の負担を申し出ていた。インフラ関係は国庫補助と造成した土地の貸付料収入で賄う。
市が外海側外周護岸の全てと内海側外周護岸の基礎、インフラの整備を担いつつ、内海側外周護岸の本体については国へ直轄事業での整備を要請している。
残る第2期地区約100fの埋め立てや護岸・岸壁などの整備は国が事業化を検討中だ。
提供:建通新聞社