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滋賀産業新聞
2018/12/14

【滋賀】県東近江土木 日野川の河川改修事業

 県東近江土木事務所が、日野川河川改修事業の事業実施区間の延伸に向け、河川整備計画変更などのための業務をスタートする。
 「平成30年度第406―1号日野川河川改良測量委託」の名称で公告し、11日に開札した事後審査型一般競争入札で、中日本航空椛蜊緕x店が1688万5000円で落札。来年5月31日までを期間に、現在の事業実施区間の最上流部・善光寺川合流部(竜王町西横関、近江八幡市竹町)から上流・佐久良川合流部(東近江市横山町・宮井町)までの延長10q、幅0・4q、面積4平方qの航空レーザ測量を実施。河道および周辺地形の現状を把握し、今後行う概略検討や予備設計、河川整備計画検討の基礎資料とする。
 事業実施区間の延伸については、今年5月に開催された「日野川改修期成同盟会」(近江八幡市・野洲市・東近江市・竜王町・日野町の沿川3市2町で組織)の定期総会で、西田秀治竜王町長が、同町内で日野川本川及び支川の堤防の崩落・決壊により浸水被害が毎年のように繰り返し発生する状況に、「今の進行状況では、整備実施区間より上流に位置する蛇行しボトルネックとなっている中流部の整備の明日が見えない」と訴え、現在進む整備実施区間に組み込む事業区間の『延伸』を提案し、他の市町首長・議会議長らが賛同の意を表明し、同盟会の『総意』として取りまとめられ、今年度の関係各機関等への要望書にも盛り込み、活動を展開している。
 日野川河川改修事業の現在の整備実施区間は、90年(平成2年)災害の復旧事業で整備された河口から2・8q(近江八幡市野村町・大畑橋付近)より上流・善光寺川合流部までの6・6q。整備計画規模を、戦後最大の洪水を安全に流下させることの出来る50年確率規模としつつ、治水効果の早期発現のための段階整備(暫定)規模として低水護岸の施工は必要最小限とし、まずは高水敷を掘削することにより20年確率(1360立方b/秒)の断面を確保し、その後折り返し50年確率での改修を行なうとしている。
 現在の進捗状況は、河口より7・25q、整備区間の下流より4・45qにある古川橋(近江八幡市古川町)付近までの段階整備が完了したところ。10年度(平成22年度)の東近江圏域河川整備計画の見直しから20年、30年度の現事業認可区間整備完了を目指しているが、事業が採択され着工した98年度(平成10年度)から08年(平成21年度)まで10億円程度確保できていた事業費は、以降7億円程度で推移しており、20年確率整備後、折り返して50年確率の整備では、その先の整備はまさに「明日が見えない」状況といえる。
 このため、竜王町長の提案は、事業区間を延伸することによって、町の悲願である蛇行部の整備に一定の目途がつくことを期待してのもの。
 なお、日野川は、鈴鹿山系の綿向山に源を発する流域207平方qの一級河川。中下流部が典型的は天井川を形成し、過去には昭和28年・同34年(伊勢湾台風)災害など多くの水害に見舞われ、近年では平成25年9月の台風18号で日野川の2箇所、支流・祖父川で1箇所の堤防崩落が発生。昨年10月の台風21号で支流・新川が決壊し伊勢湾台風時に迫る浸水被害が発生している。河川改修の全体計画は、河口(近江八幡市)から出雲川合流地点(日野町)までの25qが対象。

提供:滋賀産業新聞