一般社団法人日本海上起重技術協会(寄神茂之会長)および同北陸支部(本間達郎支部長)、全国浚渫業協会(金澤寛会長)および同日本海支部(渡邊孝支部長)と北陸地方整備局との意見交換会が11日、新潟市中央区の新潟グランドホテルで開かれた。
この日は日本海上起重技術協会から寄神会長ら14人、全国浚渫業協会から金澤会長ら8人、整備局から佐々木宏次長ら15人が参加した。冒頭、あいさつに立った本間支部長は「協会会員が技術力を発揮し、常に稼働体制を整え、地域の守り手としての役割を果たしていくためには熟練者の雇用を維持する必要がある。中長期的な観点からの予算確保と施策に期待している」と述べた。金澤会長は「会員の生の声を皆さんに届けたい。どうかきたんのない意見を」と呼び掛けた。佐々木次長は「事業・工事量の確保は非常に重要だが、北陸では目立つものがない状況。第2次補正と来年度予算でしっかり確保したい」と応じた。
両協会はまず、作業船の保持と維持、作業船従事者の技術力維持に向けた港湾関係予算の増額を要望。整備局は18年度補正を含め19年度予算編成に向けて確保に努めると答えた。また、海枝協は休日確保に向けた施策として、海象条件に制約を受ける海上工事を8週16休でも4週8休と同様に評価するよう求めた。整備局は全国の状況を調査する必要があるとして、本省に伝えると答えた。全浚協は配置技術者に求める施工実績対象期間を現状の過去15年から20年に延長するよう要望。工事実績の保有案件が期限切れになる会員の増加が見込まれるためという。整備局は、過去に実施した地域要件の緩和を例に挙げ、引き続き検討したいと応じた。
継続的な事業予算確保を/港湾空港建設協会連合会
また、この日は続いて北陸港湾空港建設協会連合会(本間達郎会長)および日本港湾空港建設協会連合会(林田博会長)と北陸地方整備局との意見交換会も開かれ、両者が活発に議論した。
両連合会からは本間会長ら16人が参加。冒頭、本間会長は「南海トラフ地震が発生した場合、日本海側が代替港の役割を求められる。各種港湾施設の老朽化が進行しており、早期の整備が重要。来年度予算編成にあたっては港湾整備事業の確保に配慮願いたい。担い手確保の取組みも、現場では多数の課題を抱えている。適正な利益の確保へご指導いただきたい」、林田会長は「予算が北陸に回り、会員企業がしっかり仕事できることを目指し、ともに活動を進めていきたい」と述べた。佐々木次長は「国による集中投資の方針をチャンスと捉え、地域のニーズに沿って必要なインフラ整備に取り組みたい」と語った。
連合会は、日本海側の重要港湾への予算配分が減少傾向にあると訴え、継続的な事業予算の獲得に向けた配慮を要望。整備局は「ニーズの掘り起こしを含め検討する」と応じた。技術者の負担を軽減するため、公告時期が集中しないよう配慮するとしたほか、休日確保にあたっての成績評定の柔軟な対応に関しても前向きな考えを示した。