第3次熊本県建設産業振興プランの素案が明らかとなった。5日に熊本テルサであった業界団体等との意見交換会の中で県が提示したもの。「経営力・技術力の強化」「人材の確保・育成」「地域力の強化」を柱に14の目標と主な支援策を掲げており、新規にICT土工モデル工事の導入、振興局土木部長による優良工事表彰、週休2日モデル工事の導入、地域維持型JV等の導入―など8施策を盛り込み、第2次プランにあった4施策を拡充した。パブリックコメントを経て来年3月までにプランを策定する。
人材確保と地域力強化に重点
ICT土工モデル導入や振興局土木部長表彰も
熊本県は、2004年3月に第1次建設産業振興プラン、10年12月に第2次プランを策定し、透明で公正な市場環境づくりに取り組むとともに、技術と経営に優れ、社会貢献に努力する建設企業を支援してきた。
本来なら16年度から第3次プランに入る予定でいたが、同年4月に熊本地震が発生し復旧復興に全力を挙げることを最優先とするため、プラン策定を一時凍結した。
18年度に入り、災害復旧関係の発注が年度内に約9割終わる見通しとなったため、6月県議会で宮部静夫土木部長が年度内の策定作業着手を表明。業界団体との意見交換や建設業者へのアンケート調査・分析等を踏まえ、素案をまとめた。
素案によると、第3次プランでは、これまで掲げてきた目標を継承しながらも、若者にとって魅力ある産業となるよう働き方改革等による人材確保や、熊本地震発災の経験を踏まえ、災害発生時の対応など地域力の強化に重点的に取り組む。
柱となる「経営力・技術力の強化」では、低コストで良質な社会資本を提供できる技術と経営に優れた建設産業を育成するため、生産性の向上などによる技術力・経営力を強化する。
「人材の確保・育成」は、将来の建設産業を支える優秀な人材を着実に確保・育成していくため、働き方改革をはじめとする担い手の確保・育成を進める。
「地域力の強化」については、地域に根差した産業として、今後も「地域の守り手」として災害発生時の対応や、他産業と連携した地域の維持・活性化に貢献する建設産業を育成するため、地域力を強化する。
計画期間は19年度から23年度までの5年間。
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