建設新聞社
2018/12/12
【東北・福島】ECI方式で双葉町産業交流センターの施工者を公告
福島県双葉町は、避難指示解除準備区域内に設定した「中野地区復興産業拠点」に新築する産業交流センターについて、施工業者を選定するため10日にECI方式による公募型プロポーザルの手続きを開始した。
ECI方式を採用したことにより、プロポーザルの優先交渉権者(施工業者)が、現在、関・空間設計で作成中の実施設計に技術協力することが可能となる。同町では、施工業者の技術やノウハウを設計に反映させることで、工期短縮やコストの縮減などにつなげたい考えだ。
プロポーザルの参加対象は、同センターを建設できる企画力、資力、信用、技術的能力および実績を有する単体企業、または3社以内のJV。
単体とJV代表構成員の資格要件は、経営事項審査結果の総合評定値(P点)のうち建築一式が1300点以上。加えて、過去10年間に公的機関が発注したオフィスや庁舎等の事務所系建築物(事務所用途の延べ面積が2500平方b以上)の新築工事を元請けとして受注し、完了した実績が必要だ。
参加申請書類などは、双葉町役場いわき事務所の復興推進課で持参による提出を受け付ける。
1次審査(参加資格審査)の書類提出期限は2019年1月9日で、同15日に審査結果を通知する。
2次審査(基礎審査・価格審査・実績審査)および3次審査(技術提案審査)の書類提出期限は2月4日で、2次審査で上位5者を選定し、3次審査のヒアリング対象者を同8日に通知する。
2月12日のヒアリングで審査する技術提案の内容は▽品質管理および実施体制▽工程管理および早期整備▽地域経済への貢献▽関連事業への配慮・調整▽コスト縮減―の5点で、同中旬に総合評価点の最も高い者を優先交渉権者として特定する。
「中野地区復興産業拠点」は、22年春ごろの帰還困難区域の一部解除を目指しており、帰還後の働く拠点として同町が企業誘致を進めているほか、隣接地には復興記念公園やアーカイブ拠点施設などが立地する予定だ。
産業交流センターの施設規模は、S造4階建て、延べ5088平方b(建築面積2129平方b)で、立地企業のサポート機能を持つ複合施設として整備し、併せて従業員向け福利厚生施設やコンビニエンスストア、レストランなども設ける。
施工地は双葉町中野地内で、センターの建設場所として6389・94平方b、敷地内西側に整備する駐車場用地として2653・51平方bを充てる計画。現在、田中建設・前田建設工業JVが19年1月末ごろの完了を目標に基盤整備工事を進めている。
優先交渉権者決定後は、2月下旬に事業実施協定を締結し、実施設計に対して技術協力を行う。工法や仕様などを確定後、3月中旬に工事請負契約を締結する予定となっており、早期の着工、20年4月30日の完成を目指す。
なお、工事費としては28億1700万円を試算している。
提供:建設新聞社