富山県土木部と富山県建設業協会は11日、富山市の富山工業高校で、建設系学科の生徒に建設業の魅力をPRする「出前講座」を開催した。
地域建設業の重要性や建設技術者の仕事についてPRすることで、進路の参考にしてもらうおうと開いた。土木工学科と建築工学科の1年生各40名が参加した。
この日はまず、協会が作成した建設業の仕事内容を紹介するDVDを放映。続いて、県土木部建設技術企画課の阿部雅文主幹が、建設業の役割や県内の社会資本整備の事例、仕事の流れを解説した。同校OBの若手技術者2名は、建設業に就職したきっかけや仕事の内容、やりがい、今後の目標などを話した。
朝日建設の土木技術者・平野哲哉氏(22歳、入社4年目)は、「完成後に地元の方々や発注者の方から、お褒めの言葉をいただいた時はうれしい。皆さんにもこういう気持ちを味わってほしい。今後はどんどん経験を積み、一人前の技術者になりたい」と語った。
日本海建興の建築技術者である伊藤泰三氏(同)は、「建物は形になって残る。お礼の言葉が一番うれしく、それが魅力の一つ。今は補佐の役割だが、いずれは一番上の立場で、お客さんに満足してもらえる建物を造りたい」と述べた。
会員企業の役員からは、高田組の堂口隆介専務取締役が、「仕事はやりがいがなければ、長く続けられない。建設業の仕事は地図やカーナビに残る。そういう意味ではぴったりの仕事。現場の所長になれば、すべてを判断することになり大変ではあるが、やりがいはある。弊社には若い技術者もたくさんおり、悩みも相談できる。働き方改革に対応し、休日も増やしている」と話した。
石坂建設の石坂兼人代表取締役社長は、「弊社には18人の技術者がいるが、そのうち、15人が富山工業高校の卒業生」と説明した上で、「建設業の企業数、従業員はそれぞれ4分の3に落ち込み、若い人も他産業に比べ少ない。しかし、逆に言えば若い人がとてもほしい業界。皆さんが建設業界に入れば期待の星としての扱いを受ける。弊社ではチャレンジシートを活用し、上司やいろんな人からアドバイスする仕組みを作り、技術者の育成にも力を入れている」と紹介した。
また、両者ともに、卒業後は県内の建設会社に就職して、頑張ってほしいと呼び掛けた。