岐阜県は、岐阜県河川整備計画検討委員会(藤田裕一郎委員長)で、長良川圏域河川整備計画の変更概要を明らかにした。「平成30年7月豪雨」で被害の大きかった関市の津保川の施工計画を拡充するとともに、支川の小那比川を施工区間に追加し、重点整備する。同計画の変更は、津保川地域検討委員会に諮った上で、2019年1月からパブリックコメントや関係部局、国関係機関などの意見を聞いて中部地方整備局に申請する。
県は7月の大雨での浸水被害を検証し、津保川の中流部で10年に1度程度、小那比川で5年に1度程度発生する規模の大雨に対し、安全に流下させることができない区間が多いことが分かった。
長良川圏域河川整備計画の変更内容を見ると、整備計画対象区間としては、津保川で中上流域の関市神白金、山田〜西田原、肥田瀬までとしていた施工区間を上之保まで延伸する。また津保川に流入している支川の小那比川の津保川合流点から関市上之保までを追加した。
津保川では、川床掘削や築堤、護岸など今回追加した区間も含めて、段階的に流下能力を上げる工事を進める。
また、新たに追加された小那比川では、まず工事実施に向け環境調査などを行う。関係機関や有識者らの意見を基に河川の環境を保全することを前提に、現況の河道の改変を最小限に抑えながら、川床掘削や築堤、護岸工などを段階的に進めるとした。
この他、今回の委員会では、「河川堤防の強化」についても内容を追加した。洪水で起こる浸食から堤防や川岸を保護するため、水衝部などの局所的に洗掘された箇所について、護岸の整備を行うこととした。さらに、すべり破壊や基礎地盤のパイピング破壊に対する安全性を確保するため、浸透に対する堤防強化対策を行う。また、大規模地震発生時の洪水による2次被害を防止するため、必要に応じて液状化対策などで堤防を強化するとともに、改修が必要な樋門や樋管などを改築する。
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建通新聞社