研修用堤防施設に関する会議を仮想体験で実施 3次元データの活用を検討 九州技術事務所は5日、VR(仮想現実)を用いて研修用堤防施設に関する会議を実施。参加者は眼鏡状の機械を装着し、整備予定の施設を仮想空間で体験しながら議論を行った。VRを用いた会議は、国土交通省では初となる試み。
会議には、九州地方整備局の河川部、企画部職員や同事務所の島本卓三所長らが参加した。
研修用堤防施設は亀裂や沈下などの不具合を再現し、点検や維持管理などの研修に活用。同事務所の敷地内に整備する実モデルに加え、仮想空間上にVR堤防を構築する。
不具合について、状態を長期間保つのが困難なものはVR、沈下など微妙な起伏変化は実モデルで再現する方針を確認。水害をVRで体験するコンテンツを盛り込むという意見も出た。
また会議は、ペーパーレスで実施。資料は手元のタブレットに表示され、発表者の操作に他のタブレットも連動し資料が切り替わった。参加者からは、どの資料を見ればよいか分かりやすいと感想が挙がった。
会議の最後に、島本所長が「建設産業では人手不足が顕著であり、VRが生産性を上げる手法になる。VRで3次元データを見ながら設計の協議を行うなど、活用を検討していきたい」と締めくくった。