新潟県農林水産部林政課は、海沢線(糸魚川市)林道開設事業について、残事業費10億6300万円を投じ、延長5・3キロおよび舗装工5・3キロを推進していく。23年度の完了を目指していく。
糸魚川市西部の天下の険で有名な親不知海岸・風波川河口付近を起点とし、富山県境の玉ノ木集落を結ぶ基幹的林道。利用区域面積は1112ヘクタールのうち、474ヘクタール(43%)が人工林で、トンネルが連続する国道8号からはこれらの森林にアクセスできず、森林施業が停滞していた。林道整備を行うことで、高性能林業機械や木材運搬用トラックがアクセス可能となり、森林整備や木材生産が低コスト化され、木材の増産および安定供給を促進するのが狙い。
全体計画では、林道開設10・5キロ、幅員4・0メートル、橋りょう工2カ所、舗装工10・5キロを整備するもの。事業個所は糸魚川市大字市振地内。県では擁壁等のコンクリート構造物に関し2次製品を使用し、施工の効率化を図るとともに、掘削土砂を利用する工法を導入することで法面対策や残土処理のコスト縮減に努めているという。04年度に事業着手し、総事業費は27億2300万円。事業費ベースの進ちょく率は61・0%。