神奈川県横浜川崎治水事務所は、柏尾川の新たな遊水地(仮称・金井第二遊水地)整備のための詳細設計に着手する。業務委託に向けた入札手続きを進めており、契約後、2019年3月29日までに設計成果をまとめることになっている。業務ではまた、段階的な供用の開始や、施設の上部利用について検討する予定。整備予定地の用地取得の進捗なども踏まえ、19年度以降に整備の在り方を固める方針だ。
新たな遊水地は、境川水系河川整備計画に基づき、都市洪水対策の一環として整備を進めるもの。事業費452億円を投じ、14年度から28年度までに事業を行うとされている。
整備予定地は、既存の金井遊水地に隣接する大規模工場敷地の一部、約8fの区域(横浜市栄区金井町)。15年3月に用地取得を開始した。翌16年度には、19年度までの4カ年で限度額21億5300万円の債務負担行為を当初予算に設定。これまでに、工場の移転に必要な補償手続き、用地取得などを行ってきている。
全体事業費452億円のうち、25億4700万円を17年度までに執行。18年度以降の事業費は426億5300万円となった。
今後委託する設計では、貯水容量32万立方bを想定する遊水地の施設能力など詳細を詰める。段階的な整備・供用は、早期に浸水被害を軽減する効果を発揮させるため。2期、または3期に分けた整備も視野に入れて検討する。上部利用については、都市部の貴重なオープンスペースを生かすべく、地元の意向などを踏まえながら有効な活用方策を探っていく方向だ。
境川水系河川整備計画によると、同水系では時間雨量50_の降雨に対応する整備をしてきたが、流域の市街地率が高いこと、近年でも浸水被害が発生していることから、時間雨量おおむね60_に対応し、洪水流量を安全に流下させることを目指している。遊水地については、いたち川合流点付近〜柏尾橋付近を施行箇所としていた。
提供:建通新聞社