滋賀県東近江土木事務所河川砂防課は、昨年10月に台風21号により2ヵ所で堤防が決壊し大きな被害が発生した竜王町内を流れる日野川支流祖父川の支流である一級河川・新川について、被災箇所の災害復旧工事は完了したものの周辺の護岸も老朽化しており、災害の未然防止のため改修が必要だとして、県単独の「河川環境保全事業」で取り組むべくコンサル業務を発注した。
祖父川合流部から上流900bを区間に、両側護岸を測量調査、整備箇所を抽出し、工法を検討、設計業務を今年度内にまとめ、予算を確保し19年度の出水期後からの着工を目指して行く。測量調査業務を国土地建(甲賀市)、設計業務を橋本技術(長浜市)が担当する。
新川は、竜王町綾戸地先を起点に、北西に流れ同町弓削地先で祖父川右岸に注ぐ。
昨年の災害「堤防決壊」は、10月22日未明に近隣住民により発見され、県に通報が入り、当エリアの「平成29年度日野川他(40河川)河川・砂防維持修繕工事(単価契約)」の請負会社・椛蜩組(日野町)に対応を要請。同社が弓削地先の右岸(約70b)、須恵地先の左岸(1ヵ所、約30b)の破堤箇所に大型土のうを積むまでの仮復旧工事を速やかに行なった上で、国の災害査定を受け、今年度に災害復旧工事を施した。
なお、県のホームページによると、昨年10月の超大型の台風21号による竜王町内、新川の堤防決壊では、約40fもの広範囲の土地が水に浸かることとなり、付近の田畑の作物や家屋が浸水の被害を受けた。また、この地域にある工場も約1・5bの高さまで浸水したため、工場内の油槽にあった油が流出する被害も出たと、記録されている。
提供:滋賀産業新聞