記録的な猛暑となった今夏の状況を受け、文部科学省は2018年度補正に冷房設備対応臨時特例交付金を創設した。公立小中学校等の空調設置を支援し、児童生徒等の熱中症対策を進める。県学校施設課によると、県内で36市町村468校が事業計画を提出。県内の整備率は35.8%(17年4月現在)にとどまっているが、鹿児島市では全教室で設置が完了している。
各自治体は、国の補正により12月補正予算で事業費を計上し、動きを加速させている。
日置市では、15小学校と7中学校を対象に特別支援教室を含む計192室で計画。南九州市は21校(180室)、南さつま市は17校(131室)、指宿市は12校、志布志市は21校、伊佐市14校、いちき串木野市14校、枕崎市8校、錦江町8校−などが、設計や一部工事に取り掛かっている。
霧島市では、PFI方式導入の可能性を含めた手法などの調査業務を三菱UFJリサーチ&コンサルティングに委託。小学校35校(525室)と中学校12校(223室)の新設のほか、設置後13年以上経過している小学校3校(68室)と中学校2校(45室)の更新も対象としている。
今回、桜島の火山活動が活発だった10年度から活動火山対策特別措置法に基づき、国の補助を受け集中的に整備した鹿児島市と垂水市は、事業計画を提出していない。また、大崎町では、環境省の地方公共団体カーボン・マネジメント強化事業を活用して進めている。このほか、龍郷町、喜界町、徳之島町、三島村が未提出だった。
なお、県立高校では、61校中42校で主に同窓会等により設置されている。そのため、残る高校は、当局による整備は現時点では考えていない。