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建通新聞社
2018/12/07

【大阪】大建協 万博機に新たな建設現場モデル構築

 大阪建設業協会(奥村太加典会長)は12月5日、2025大阪万博に向けた取り組みを全面に押し出す形で、国土交通省近畿地方整備局との意見交換会に臨んだ。意見交換は大阪市内で開催。協会側は、万博開催を機に、近畿地方から新たな時代の建設現場のモデルを構築し、全国に発信していく構えを打ち出した。
 協会は、大阪万博のテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」の意味を紹介した上で、「万博関連工事では、開催までの限られた時間を踏まえた高い効率性と、心理的安全性を確保した施工が社会的に求められる」との考えを示し、万博の理念に沿った新たな建設産業のモデルを構築することが「大阪を中心とした近畿地方の建設産業最大のミッション」と強調した。
 新たな建設産業のモデルについて、協会土木委員会の萩野和久第1部会副部会長は、「万博のテーマに沿って4週8休を確実に行い、現場で働く全員が心身ともに健康で、ポテンシャルを発揮しながら工事を完成させる」ことが求められると説明。そのために、「工事発注前(調査、用地の確保、設計の段階)に施工の支障になることは解消し、着工後、問題が生じても受発注者間で連携して迅速に解決できる仕組みをしっかり整えてほしい。それが将来の担い手確保にもつながる」と訴えた。併せて、「仕組みに加え、やはり技能労働者に対する適切な対価の支払いと、最後は人と人、チーム間の心のつながりが大切だ」と付け加えた。
 近畿地方整備局企画部の別木孝技術調整管理官は、「われわれも同じ思い。やはり職場環境は一番大切。改善すべき点など気付きがあれば意見を出してほしい」と返した。
 意見交換では、新たな建設産業モデルを構築するための具体的な改善策として、協会側から▽入札事務手続きの効率化(電子入札システムの改善)▽入札期間の短縮(二封筒型の課題)▽次世代育成のための総合評価の改善(監理技術者、現場代理人の同等評価、配置予定技術者の評価など)▽工事工程など丁寧な受発注者間情報共有▽工事進捗定例会議の充実▽工事書類簡素化の徹底―などを要望した。
 近畿地方整備局の森戸義貴企画部長は、「手の届きにくい部分もあるが、改善すべきことがまだまだ残っていることが分かった」とした上で、「万博もそうだが次世代につながっていくシステムをうまく作り上げていくことが大切だと思う」と結んだ。
提供:建通新聞社