京都市都市計画審議会の第8回持続可能な都市検討部会(部会長・川ア雅史京都大学大学院教授)が4日、京都市内で開かれ、持続可能な都市構築プラン案について、市内各拠点等における土地利用の誘導等を検討した。
市は人口減少や高齢化の進行を見据えた持続可能な都市の構築、暮らしやすく魅力あるまちづくりを目指し、機能誘導のあり方や手法を含む取り組み方針を29・30年度の2ヵ年かけて検討する。その検討への意見を求めるため都計審に部会を設置し議論を進めている。
プランにおける各地域の将来像と暮らしのイメージを踏まえ、広域拠点エリアは「立地適正化計画」制度の手法を活用し、オフィス(事務所・研究所)の誘導を図る。
地域中核拠点エリアの@交通結節・賑わい型(主な拠点エリアは山科、西大路、太秦天神川、桂、竹田等)A文化・大学・観光型(主な拠点エリアは今出川、出町柳、東山等)B生活拠点型(主な拠点エリアは北野白梅町、洛西口、淀等)は、各地域にふさわしい都市機能誘導区域(京都市独自)とし、各拠点の特性に応じた各種手法の活用を検討する。
ものづくり産業集積エリアのらくなん進都は、「立地適正化計画」制度の手法を活用し、オフィス(事務所・研究所)の誘導を図る。
立地適正化計画の都市機能誘導区域については、広域拠点エリアの「幹線道路(西大路・丸太町・東大路・九条通)で囲まれた範囲」、らくなん進都の「らくなん進都まちづくり推進プログラムの区域」で検討。誘導施設はオフィス(事務所・研究所)とし、▽事業区域(敷地面積)500u以上、道路や広場等の公共施設の整備を伴うもの▽多くの企業や人が活動するエリア特性を活かしたもので検討する。
居住誘導区域の検討では、市街化区域で、工業地域・工業専用地域、土砂災害特別警戒区域・急傾斜地崩壊危険区域を除くとした。なお住工調和を図る工業地域や工業専用地域、建築物の構造が制限される土砂災害特別警戒区域・急傾斜地崩壊危険区域は「住宅開発届出区域」を指定する。
学術文化・交流・創造ゾーンは、広域拠点エリアで京都駅東南部エリア(主な用途地域は住居系、施設は若手芸術家の創作工房、小劇場を想定)、地域中核拠点エリアで嵐山、東山(主な用途地域は住居系、施設は歴史・伝統文化の体験・海外発信できるミュージアムを想定)、日常生活エリアで大学周辺(主な用途地域は住居系、施設は学生・若手研究者のものづくりラボ、伝統産業を活かした研究施設を想定)、緑豊かなエリアで北部山間、大原野(主に市街化調整区域、施設は国内外の観光客が地域独自の文化や産業等の交流・体験施設を想定)とした。
今後、持続可能な都市構築プラン案は市会に報告後、31年1月頃から市民意見の募集を開始。3月頃に最終案を固め、プランを策定する。