鹿屋市は、2019〜28年度の施策方針を示した水道事業ビジョン案を打ち出した。重点事業および更新事業の投資額は、10年間で約62億円を想定。年度ごとの整備費を平準化し、施設の長寿命化・延命化を図る。耐震化の遅れが目立つ配水支管は、老朽管および応急給水拠点までの支管を優先的に整備する計画だ。
2017年度末現在の管路全長は120万5014m。内訳は、導水管2万9500m、送水管5万64m、配水本管18万5860m、配水支管93万9590mとなっている。法定耐用年数(40年)の超過率は全体で18・2%(21万9781m)。全国および類似団体の平均値(11%台)よりも高く、改善が遅れている。
耐震化率に関しても、全ての施設で類似団体の数字を下回っている状況。全体の88%を占める配水支管は特に耐震化が進んでおらず、更新に合わせた優先的な整備が必要となる。
10年間の概算投資額は、施設整備30億9210万円、管路整備30億6088万円の計61億5298万円。重点事業として、@新規水源開発とそれに伴う施設整備A浄水処理、ポンプ場整備B配水池整備C配水区再編(施設統廃合)D緊急遮断弁設置E緊急貯水槽設置−を挙げ、既存施設の延命化や新規施設の長寿命化を図る。
事業に当たっては、財政的な負担が集中しないよう、既存施設の適切な維持管理を行いながら、年度ごとの整備費を平準化する方針。施設統廃合による再編化では、柳、西原、横山配水区の再編計画を策定するほか、市成地区と諏訪原地区の施設統合等も検討する。
新規施設整備では、耐久性向上に資する材料や工法の採用、質の高い施工等による長寿命化を推進。事業者指定の更新制(5年)導入を盛り込んだ水道法の改正も見据え、給水装置工事関係者に対する指導も強化していきたい考えだ。