建通新聞社(東京)
2018/12/06
【東京】都 東京港全体の維持管理計画、長寿命化計画策定へ
東京都港湾局は、所管するふ頭や係留施設など港湾施設を対象とした維持管理計画と、防潮堤や水門など海岸保全施設の長寿命化計画の策定作業を始めた。これまでに実施した点検診断結果を踏まえ、全ての港湾施設の機能を長期間にわたって発揮させつつ、維持管理に伴う費用を平準化するよう、適切な修繕や補修の方法、実施時期などを位置付ける。
同局が所管する港湾施設は、護岸や係留施設、航路、橋梁、ゆりかもめインフラ部、荷さばき施設、廃棄物埋め立て護岸、海上公園など多岐にわたる。大規模な補修・改修や更新といった対策が必要になる前に、定期的な点検を実施し、その結果に基づく予防的な修繕・補修などを行って、維持管理費用が一時期に集中しないよう平準化する。
護岸については▽品川ふ頭護岸、大井ふ頭その1護岸などの埋め立て護岸▽竹芝ふ頭、日の出ふ頭、品川ふ頭などの港湾施設用地護岸▽若洲橋、新曙橋、新末広橋、のぞみ橋などの交通施設護岸▽公共空地などに整備している行政財産等護岸―を対象とする。
航路については第一〜第三の3水域、橋梁については有明埠頭橋や城南大橋、あけみ橋、中防大橋などを対象とする。荷さばき施設である10号地その2自動車上屋や中央防波堤内側ばら物上屋、日の出ふ頭上屋などの他、海上公園の暁ふ頭公園や水の広場公園、新木場公園なども対象とする。
各施設の点検診断の結果を基に、施設ごとに今後実施する点検診断の計画や、劣化予測、新技術の採用を含めた修繕・補修方法、ライフサイクルコストなどを検討し、長期的な視点に立った維持管理計画をまとめる。
また、海岸保全施設については、各ふ頭の▽胸壁を含む防潮堤▽内部護岸▽水門▽排水機場▽陸閘(こう)▽逆流防止扉―などを対象に長寿命化計画を定める。
こちらも過去に実施した点検結果を基に、港南、東部、豊洲・晴海・有明北、副都心など地区ごとに将来の健全度評価や点検に関する計画を定めるとともに、修繕補修の工法、ライフサイクルコストを検討して年度ごとに取り組む事業の内容を整理する。
計画策定調査業務はパシフィックコンサルタンツ(千代田区)が担当し、年度内に取りまとめる。
提供:建通新聞社