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北陸工業新聞社
2018/12/05

【福井】地元業者がチームワークの妙発輝/建築家の内藤廣氏福井県年縞博物館を語る/古代から里山まで時間の広がり/建築スケッチなど思索過程を示す/−(上)− 

 日本建築家協会北陸支部福井地域会(出田吏市会長)の毎年恒例、建築文化講演会はこのほど開かれ、建築家で東京大学名誉教授の内藤廣氏が演題を「建築と風土」に話した。
 ことし9月に、自身が設計を手掛けて竣工した福井県年縞博物館を中心に紹介。手描きの建築スケッチや施設の内・外観写真も大写しに、思索過程も率直に話しかけた。
 古代から里山まで、目の前の風景(空間)が広がり、時間の流れと長さも見えてくるイメージやビジョンを建築で表現。年縞の優位性や国際基準の意味から役割、さらには里山という環境バランスを図る現代的な意味についても考慮したという。
 また、素晴らしい建物となった理由については、前田産業ら地元施工者の尽力と讃えて「チームワークを発揮し本当よくやってくれた。コンクリートは凄く奇麗で、日本一ではないか(大手もみならうべき)。施工関係者が近くに住み、恥ずかしいことはできないと当たったからでは」と、その妙を分析した。
 このほか「サッシを下まで引き下げたことが奏功し(外観が)軽く見え、展示内容も行きと帰りが違う印象で素晴らしく、今後30〜40年いい格好で時を過ごしていくのでは」などと自信にあふれて紹介した。福井の印象は時系列の持ち物が多く、太古から恐竜、年縞、縄文、里山まで「時間のヒダがみえてくる」とズバリ。ちなみに石川は江戸や歴史文化。富山は近代、技術、近未来などと北陸3県それぞれの印象も指摘。
 各物件ごとクライアントには、建物のディテールを一枚紙に表現し尽くし、建築家からのプレゼントとして寄贈する営業センス抜群の一面も披露した。

hokuriku