北海道建設新聞社
2018/12/04
【北海道】クルーズ船用の旅客ターミナル新設 函館港若松ふ頭に
函館市は、函館港若松ふ頭に道内初のクルーズ船用の旅客ターミナルを新設する。CIQ(税関・出入国管理・検疫)手続きや観光案内機能を備えた平屋建て、延べ1200m²規模を建設する計画。用地買収などの諸経費を含む総事業費は約14億円を見込む。2019年度に基本設計に着手し、専用岸壁が全面供用(最大11万d級対応)する22年度の供用開始を目指す。
事業用地は、10月に暫定供用(最大4万d級対応)した専用岸壁近くの約9700m²。JR北海道が、観光バスや社員用の駐車場として所有している。既に用地買収の協議を進めており、早ければ19年度に契約を結ぶ。
ターミナル内部は、CIQ業務に必要なカウンターをはじめ、観光案内デスク、洋式トイレ、事務室、備品庫などを配置。施設の周囲にはタクシーと乗船客専用の観光バスの待機場19台なども設け、利便性を高める。
関連予算は19年4月に市長選を控えているため、6月補正での計上となる見通し。用地交渉や設計の動向次第だが、21年度までの本格着工が見込まれる。
これまで函館港に寄港するクルーズ船のCIQ手続きは、船内の通路やホールで実施。利便性の悪さや検査機材の設置などで時間を要していた。また、天候に左右されない待合所の確保も課題に挙がっていた。
全国の港では、乗船客の利便性向上を図るターミナル整備が進む。函館港には19年度、50隻を超える過去最多のクルーズ船寄港が予定され、市は旅客の利便性と快適性が高まるターミナル整備を急務と判断した。