高知県は11月28日、社会資本整備推進本部会議(本部長=尾ア正直知事)を開き、土木部などインフラ整備に携わる各課が2019年度予算編成の考え方について、尾ア知事ら幹部に説明した。土木部全体では、重点化事業として四国8の字ネットワーク整備、南海トラフ地震対策、豪雨災害対策など8項目を挙げた他、「建設会社の安定経営と雇用確保も災害対策」とし、端境期の工事量確保に取り組むことを示した。
各課による19年度予算編成の説明では、重点事業とこれまでの会議で挙げられたニーズへの対応方針について挙げた。このうち道路課では、四国8の字ネットワークの整備促進、南海トラフ地震や豪雨に備えるための橋梁耐震化や法面防災対策、地域の暮らしを支える1・5車線的道路整備などを重点化事業として挙げ、ニーズへの対応方針としては宿毛市役所高台移転地へのアクセス道路の冠水対策などを示した。
都市計画課は、高知駅秦南町線で橋梁上部工に着手し、安芸中央インター線で街路築造を継続する。河川課は浦戸湾内の地震・津波対策、和食ダムと春遠ダムの建設推進、再度災害防止対策などを進める。港湾・海岸課は野根、岩戸、羽根、岸本海岸での高潮・津波対策や三重防護による堤防の耐震補強を進める。防災砂防課は通常砂防事業や急傾斜地崩壊対策事業、7月豪雨で被災した公共土木施設の復旧を加速する。公園下水道課は春野球場の耐震改修、土佐西南大規模公園ふるさと総合センターのつり天井耐震改修、高須浄化センター汚泥処理施設(浄化槽など)整備を行う。住宅課は住宅耐震化の促進や土砂災害特別警戒区域内にある住宅の安全対策の他、年間100組の移住者数達成を目指し、空き家再生・活用促進専門家グループの民間活力を利用した空き家再生など住まいの確保に努める。
土木部以外では、農業基盤課がほ場整備など経営体への農地集積や耐震性が不足するため池(21池)の耐震対策を21年度末までに実施する。治山林道課は7月豪雨で発生した山腹崩壊の復旧、事前防災対策としての治山ダム設置、林道開設の新規着手、治山・林道施設のインフラ長寿命化計画策定などを進める。漁港漁場課は田ノ浦漁港で製氷・貯氷施設整備、佐賀漁港で臨港道路、野根漁港で沖防波堤、安芸漁港で護岸整備を進め、23漁港で長寿命化対策を促進する。
尾ア知事は「限られた予算で時間がかかる中、いかに効率的に整備を進められるのかが重要だ」と述べた。次回会議は19年3月26日に開催予定、当初予算の状況などについて部局間で情報を共有する。
提供:建通新聞社