八千代市の第4回庁舎整備基本計画検討委員会が先月30日に開かれ、庁舎整備基本計画素案について話し合った。敷地は既存庁舎敷地と同一とし、新庁舎の規模を現庁舎に無かった市民利用機能も含めて約1万8500uとした。また、施設配置については前回と同様に、敷地内に一部存在する民有地を取得できた場合と、取得できなかった場合の2案を検討。課題とされ駐車場について、民有地を取得できた場合でも平面駐車場以外に立体駐車場が必要だとして、その配置案を示したほか、取得できなかった場合には本庁舎敷地以外での駐車場整備も検討する必要があるとした。
既存庁舎(大和田新田312−5)の敷地面積は2万5153u(うち借地面積4445u)。用途地域は第2種住居地域(建ペい率60%、容積率200%)、第2種高度地区(最高高さ20m)指定。
新庁舎の規模については、2017年度に実施した庁舎整備手法等検討調査業務において、総務省基準(地方債同意基準)に基づき1万8500uに設定した。しかし、より適正な規模を設定するため、本年度に入りオフィス環境整備現況調査を委託。同調査では現庁舎の利用状況や各部署の要望等を踏まえ規模を2万1200uと算定し、総務省基準を大きく上回る結果となった。
このため、保存文書量の見直し、窓口・執務空間機能に関する実態調査、執務スペースの見直し、各部署要望面積の再精査を実施し、最終的に新庁舎の全体規模を、現庁舎に無かった市民利用機能を含めて約1万8500uとした。
また、階数は民有地取得の有無にかかわらず、地下1階地上5階建て(ただし、民有地を取得できない場合、北西側は日影規制により3階まで)を想定。低層階は来庁者の利便性に配慮し、市民等の利用頻度が高い窓口機能、市政情報等の情報発信機能等を配置し、市民利用とも連携。中層階には低層階の次に利用者が多い部署を配置するとともに、セキュリティ面の配慮が必要な部署や災害時の指揮系統の中心となる防災機能を可能な限り独立したフロアに配置。さらに議会機能は独立性を確保するため、行政関連部署との動線が交わらないよう配慮し高層階へ配置する。
駐車場は現在、本庁舎(福祉センター含む)・教育委員会庁舎・上下水道局庁舎で合計874台(来庁者346台、公用車166台、職員等用362台)を確保しているが、来庁者用駐車場については現在以上の台数を確保するとともに、職員用駐車場は原則本庁舎敷地内に整備しないこととし、合計512台〜600台程度(来庁者用346台以上、公用車166台)を想定。また、駐輪台数は自転車170台、バイク80台を想定した。
既存庁舎・跡地の取り扱いについては、本庁舎旧館及び本庁舎新館は耐震性が不足しているため、解体後、跡地を駐車場として活用。本庁舎別館は、新耐震基準の建物であるため、資産管理部門において今後の活用方法を検討。
本庁舎第2別館は、新耐震基準の建物であるため、改修及び増築を行い新たな上下水道局庁舎としての活用を検討するが、民有地を取得できなかった場合は解体し、新庁舎建設用地として活用。
上下水道局庁舎は、耐震性が不足していることから、解体後、跡地について賃貸もしくは駐車場を含めた公共用地としての活用を検討。教育委員会庁舎は、耐震基準を満たしていることから、資産管理部門において今後の活用方法を検討する。
このほか、事業手法について従来方式以外にDB方式、ECI方式、DBM方式、リース方式を比較検討。DB方式とECI方式ではコスト縮減の可能性があるとする一方、DBM方式やリース方式では運用形態が限定される庁舎では民間事業者の経営ノウハウを取り入れるのが難しく、大きなコスト縮減は期待できないとした。
さらに民間企業18社(建設企業7社、設計企業4社、維持管理企業5社、代表企業2社)を対象に行った意向調査でも、DB方式を希望する企業は8社(建設企業6社、維持管理企業2社)、ECI方式を希望する企業も8社(建設企業3社、設計企業4社、維持管理企業1社)で、DBM方式を希望する企業(18社中6社)やリース方式を希望する企業(18社中2社)を上回った。
庁舎整備に関しては本年度、基本計画策定支援業務を梓設計(東京都品川区東品川2−1−11)、オフィス環境整備現況調査等業務をイトーキ(千葉支店・千葉市中央区中央1−11−1)に委託して進めている。