北海道建設新聞社
2018/12/03
【北海道】液状化被害想定の水道管 20年度から耐震化 札幌市
札幌市水道局は、北海道胆振東部地震を踏まえ、液状化の可能性が高い地域の水道管耐震化を、2020年度から本格化させる考えだ。19年度中に対象管路や整備優先度などをまとめるとともに、清田区里塚地区など被害が大きかった地域に関し先行して同年度から整備に入る。最初の工事として美しが丘地区の工事1件を、債務負担行為で2月上旬に公告する見込み。
■初弾に清田区美しが丘地区
同局では、これまで4大配水池系の配水幹線連続耐震化をはじめ、布設年数や腐食性土壌を考慮した配水管更新など、複数事業で耐震化を推進してきた。
今回発生した地震では液状化によって里塚地区などを中心に大きな被害があり、地区内の里塚配水池流入管の継ぎ手部抜け出しによる漏水も発生し、大規模断水となった。
これを受け、液状化の発生が高い地域の水道管に関しても耐震化する方針を決定。断水時の影響が大きい管を優先することにし、200_以上の準幹線を対象に里塚地区などと同様に盛り土をしたエリアの調査を進めている。
調査は19年度までかかる見通しで、この結果を基に20年度から本格的な整備に着手したい考え。
一方、里塚地区など被害が深刻だった地域は、調査結果を待たずに19年度から先行して整備に取り掛かる。まずは同局が来年2―3月中に発注を予定する債務負担行為案件の中に、清田区美しが丘地区配水管整備の工事1件を盛り込んだ。
整備延長は約500mで、口径250_を150_に縮径。金額区分は3000万円以上7000万円未満のCランクに設定し、成績重視型で2月下旬の入札を見込む。
19年度は、他にも発注したい考えだが、被害が大きかった地域は道路の復旧工事なども予定しているため、耐震化に関してはこれら工事との調整を踏まえて判断する方針だ。