トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建通新聞社四国
2018/11/30

【高知】高知県の豪雨対策 19年度予算に323億要望

 高知県は11月27日、豪雨災害対策推進本部会議を開き、2019年度当初に豪雨対策関連予算として323億円を見積もっていることなどを報告した。7月の西日本豪雨による被害箇所の復旧の他、インフラ未整備の河川改修や道路防災事業などの対策にも予算を投入する方針。
 県では豪雨関連予算を「インフラ未整備箇所の対応」「ダメージを除去し後の大きな被災を防ぐこと」などの視点に分類。このうち土木部では、インフラ未整備箇所の対応として、河川改修に51億2900万円で日下川など77カ所、砂防関係施設の整備に20億7500万円で通常砂防25カ所、地すべり対策12カ所、急傾斜地崩壊対策61カ所、道路改良に22億6100万円で法面防災63カ所、冠水対策1カ所で対策を進める。ダメージの除去では、公共土木施設の復旧に76億8600万円の他、河川改修に2億4800万円で久万川など47カ所の河川掘削など、土砂災害に4億9200万円で市町村による人家裏のがけくずれ対策の支援、海岸に4億2400万円で漂着した流木の除去や被災施設の早期復旧、排水機場の維持修繕を進める。
 農業振興部は32億3121万円を要望。このうちインフラ未整備箇所の対応では、ため池対策に10億4099万円、地すべり対策に1億8270万円、優先度の高い農業用施設(水路など)の防災・減災対策に4億1443万円。ダメージの除去では、農地・農業用施設の災害復旧に6億4207万円、農業水利施設などの長寿命化対策に9億3072万円などを見込む。
 林業振興・環境部は46億4733万円を要望。インフラ未整備箇所の対応では、災害発生の未然防止に4億7173万円で地すべり防止や治山施設整備などを進め、新規で防潮堤の点検に着手する。ダメージの除去では、災害復旧に40億5261万円で、新たに緊急総合地すべり事業や復旧治山7月豪雨対応に着手する。
 水産振興部は10億0925万円を要望。インフラ未整備箇所の対応には3億9499万円で、宇佐地区などの雨水排水施設整備、佐賀漁港の防風柵設置、安芸漁港などの高潮・高波対策を進める。ダメージの除去には6億0647万円で、被災した漁港施設の復旧・保全工事、河口浚渫、航路浚渫などを進める。
 また12月補正予算案には約19億円を計上し、7月豪雨以降に発生した台風による災害復旧に充てる考え。
 豪雨災害対策推進本部会議は、近年豪雨による災害が多発していることを受け、平時から対策を部局横断的に進めることを目的とし9月に設置。本部長を務める尾ア知事は「災害のダメージが蓄積し、完全に除去しきれていない箇所がたくさんある。7月豪雨以降の対応を最優先で進めているが、毎年冬場にしっかり対策を続けていくことが大事だ」と幹部らに指示した。

提供:建通新聞社