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鹿児島建設新聞
2018/11/30

【鹿児島】磯新駅設置/条件付きで可能

 2018年度第2回磯新駅検討調査に関する協議会(座長・内田良信九州経済研究所社長)が28日、市役所で開かれ、駅設置について「条件付きで可能である」と一定の結論を出した。交通シミュレーション結果や経済波及効果等を踏まえ方針を固めたもので、12月上旬にも森博幸市長に答申を行う。今後は、経済団体を主体とした推進協議会の立ち上げを想定しており、諸課題の解決など駅設置に向けた取り組みを進める。
 同日は、7月の平日と休日に行われた交通実態調査と交通シミュレーション結果、経済波及効果を協議。道路交通への影響では、渋滞が現況より改善する時間帯がある一方、悪化する時間帯もあること、また、渋滞対策として一部の時間帯に通過列車を設ける必要があるなど課題が示された。
 新駅設置に伴う磯地区への観光客の増加数は、1年当たり1万8360人の増加を想定。経済波及効果を7.5億円、雇用創出を65人と算出し、同駅を「経済観光につながる駅である」と位置付けた。
 これらの検討調査結果を踏まえ、@シミュレーション結果に地元住民や道路利用者の理解が得られるA駅設置によって世界遺産と国の史跡の価値が損なわれないB経済界の理解のもと、地域活性化の核となる経済界が主体的に進める体制の構築−の3点が整った場合に、駅設置は可能であると結論付けた。
 17年4月から重ねてきた同協議会は今回で終了。次のステップとして、今後は市がサポート役に回り、経済団体が主体となる新たな推進協議会を設置する見込みで、課題解決を検討するほか、実施主体や費用負担などを協議する考えだ。


■トラック協会は賛同せず

 道路利用者の立場から県トラック協会は、年末年始等の交通量の多い時期における交通渋滞の可能性が捨てきれないことや歩行者の安全確保の観点などから、「駅設置可能性について賛同はできない」と言及した。
 また、「経済界が主体的に進める」という点に関して「地域や行政など官民一体となって進めてほしい」などの声も上がった。

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