岡山市は、プロポーザル方式で選定していたJR岡山駅東口広場への路面電車乗り入れを含めた駅前広場のデザイナーに弥田俊男設計建築事務所を最適提案者として特定した。22日に開いた路面電車乗り入れを含めた岡山駅前広場のあり方検討会に報告した。
提案は、後楽園に見立てた駅前広場デザインで、交通案内所兼待合所は延養亭を想起する入母屋屋根を切妻と寄棟に分割したデザイン、路面電車乗り場は流店、駅前広場に点在する地下街への連絡階段は廉池軒や茶祖堂など後楽園内に点在する亭舎に見立てている。
選定に当たって、市は、有識者検討会と市民意見(パブリックコメントなど)を聴取、「造形のコンセプトが明確で市民にも説明しやすい」「実現性が高い」「岡山駅前広場として違和感がない」「外国人観光客に受けが良さそう」「伝統的で岡山らしい」などの意見が出され、応募があった6者の中から、同事務所をデザイナーとして選定した。
市は、この提案を素案として、有識者らで構成するデザイン部会メンバーを設置し、デザイナーと部会メンバーとともに2018年度末をめどにデザイン案を決める。順調に進めば19年度は詳細設計に着手、20年度下半期からの着工を見込んでいる。
また、路面電車の駅前広場への乗り入れについても18年度末をめどに都市計画決定、環境アセスメント認可、19年度は詳細設計と軌道法許認可手続きに入り、20年度末をめどに軌道法認可、都市計画事業認可を得て21年度の着工を想定している。
JR岡山駅東口広場への路面電車乗り入れ事業は、岡山駅前電停を約100b延伸し、広場噴水近くに駅舎前に3カ所のホームを備えた電停を新設する構想。駅前広場については、路面電車が広場噴水近くに乗り入れることに伴い、タクシーゾーンと送迎ゾーンを入れ替え、バス、タクシー、一般車の出入りを完全に分離するレイアウト案の採用を決めている。
「提供:建通新聞社」