東京都建設局は、代々木公園と明治公園の整備に伴うゾーニングや施設イメージの案をまとめた。代々木公園については、原宿駅と渋谷駅間の結節点として多くの人でにぎわうよう、飲食店や物販施設、子育て支援型施設、スポーツ施設、宿泊施設などの導入を検討することとし、2019年度以降に民間へのヒアリングを行って施設コンセプトを具体化する。明治公園は斜面を生かした樹林地を整備するとともに、にぎわい施設として飲食店や物販店、アウトドア施設などを配置する考え。11月27日に開いた公園審議会(会長・梨雅明日本公園緑地協会副会長)に都の考え方を示した。今後、同審議会が都の案を基に整備計画の詳細を検討し、19年1月に中間まとめを行う予定。
1967年に開園した代々木公園(渋谷区代々木神園町他)の都市計画決定区域面積は約65・8fで、このうち道路を挟んだ北側のA地区(森林公園)と南側のB地区(陸上競技場、野外ステージなど)など約54fを供用している。
今回、整備計画を策定するのは、国立代々木競技場の南側に面し、岸記念体育会館と都水道局のポンプ所がある約1・2fの区域。岸記念体育会館については、近接地に建設中の「日本体育協会・日本オリンピック委員会新会館」に19年度に移転する予定。ポンプ所は都が給水所として改修計画を検討しており、地下に配置して上部を公園利用できるようにする考えだ。
都が示した整備コンセプトは「緑を意識する公園」「人が集う公園」「にぎわいを創出する公園」。岸記念体育館のある北側の区域を「みどりと集いのゾーン」と位置付け、原宿駅からの“顔”となるエントランスを整備し、公園への利用動線を確保する。多様な人が集うよう、ニーズに応じて飲食店や物販施設、子育て支援型施設、スポーツ施設、宿泊施設など交流の場を設ける。民間事業者へのヒアリングなどを通じて施設コンセプトを具体化することとし、用途の複合化も検討する。
水道施設のある区域は「雑木林とヒーリングガーデンのゾーン」とし、区域内を歩いたり眺めたり、ゆったりとできる「癒やしの空間」とする。外周には散策や休憩などに利用できる空間を創出し、エントランスを整備して渋谷駅から公園への利用動線を確保する。
一方、港区元赤坂や新宿区霞ケ丘、渋谷区千駄ケ谷1丁目にまたがる明治公園の都市計画区域は約58・5f。このうち国立競技場の西側と南側に面した区域を中心に約2・8fを開園している。
新たに整備するのは、建設中の新国立競技場の南側に接する約1・6fで、同競技場の建設に伴って廃止した霞ケ丘アパート(新宿区霞ケ丘町4丁目、敷地面積約1・5f)を中心に公園として再整備する。
「みどりと水空間の創出」「地域のにぎわいの創出」をコンセプトとし、区域の西側を「にぎわいと交流のゾーン」、東側を「豊かなみどりのゾーン」に区分。にぎわいと交流のゾーンに、かつての渋谷川の記憶を伝え親しめる水景観を形成する他、防災機能を充実させる。多様なニーズを取り入れ、多くの人が集い楽しめるよう、民間活力を生かした施設を導入する。
豊かなみどりのゾーンについては、隣接する新国立競技場などの施設と連携し、一帯の緑地となる樹林を創出する。
提供:建通新聞社