大阪府塗装工業協同組合と大阪塗装協同組合は11月26日、国土交通省近畿地方整備局との「個別団体意見交換会」を大阪市内で行った。会では組合側が「技能者を育成している塗装工事業者が適正な利潤を確保しなければ、担い手はおろか、現技能者の確保・育成もままならない」状況を説明した上で、塗装工事における発注の在り方について「売り上げや技術者数などで総合工事業者に有利に働く現行の総合評価方式では、塗装専門工事業者の落札が極めて難しい」と、将来の担い手不足に拍車が掛かりかねない現状を訴えた。
近畿地整からは、建政部の永富栄三建設産業調整官ら2人が出席。業界からは両組合の役員ら13人に加え、建設産業専門団体近畿地区連合会の藤川義治事務局長が参加した。
開催に先立って、大阪府塗装工業協同組合の川原貞儀理事長は「組合員から多くの要望が寄せられている。人材に関するテーマも多く、有益な意見を交わしたい」とあいさつ。永富調整官は、「大阪での万博の開催が決まったことで、人材不足への対策はより重要になるはず。就業者の処遇改善など山積する課題に対して、専門工事業の皆さんと一体となって解決への糸口を探っていきたい」との見解を示した。
当日の議事では、「塗装が主たる工事における塗装工事業者への発注の在り方」に加えて、▽法定福利費支払いの透明化▽軽微な工事のみを行う無許可業者への対応▽施工時期の平準化―などについて、現状の聞き取りや質問などを交えながら意見を交換した。
提供:建通新聞社