近江八幡市は、滋賀県が進めている近江八幡八日市都市計画の『区域区分の変更』(いわゆる「線引きの見直し」、県決定)で、市街化区域への編入が予定されている市内5つの区域で用途地域の指定および当該区域における地区計画決定の手続きを進めている。今年度内(3月中)と見込まれている県による区域区分の変更とほぼ同時に、市決定となる見通し。
10fを超える大型の市街化編入となる「土田町南地区(約12・2f)」と「小船木町地区(約12・8f)」は、それぞれ「官庁街を補完する活力と魅力あるまちづくりの実現」、「人口増加地区における災害救援・援助の活動拠点として物資集約・運搬などバックアップ機能の補完を目的とした商業機能の充実」―を地区計画における土地利用の方針に掲げ大部分を『商業地域』に指定する予定で、今後の動向が注目される。
市街化区域への編入が予定されている地区(面積)と、@予定されている用途地域の指定(面積)およびA地区計画の名称(面積)は、次の通り。
▽十王町地区(約6・9f)=@第一種住居地域(約6・9f)、A北里循環型生活圏整備地区(約6・6f)
▽西庄町地区(約2・1f)=@第2種住居地域(約2・1f)、A沿道サービス振興モデル地区)(約2・2f)
▽土田町南地区(約12・2f)=@商業地域(約10・3f)、第一種中高層住居専用地域(約1・9f)、A商業機能交流拠点地区(約12・2f)
▽小船木町地区(約12・8f)=@商業地域(約11・7f)、第一種住居地域(約1・1f)、A県道2号複合拠点施設地区(約10・7f)
▽安土町上豊浦地区(約2・6f)=@第一種住居地域(約2・6f)、A安土循環型生活圏整備地区(約2・4f)
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近江八幡市が市決定に向け手続を進めている市街化編入予定地域における地区計画案は、次の通り。
▽十王町地区「北里循環型生活圏整備地区」(約6・6f)=JR篠原駅より北約2・5q、国道477号と主要地方道大津能登川長浜線の交点周辺に位置し、生活基盤が整っている北里学区の基幹地区内にある現況農地。周辺集落での高齢化や若者の流出による人口減少を抑制するとともに、農業後継者不足の解消、地域コミュニティの維持を図るために、若者の定住やUターン等を促進するため住宅地(約5・6f)および子育てを支援する就学前児童施設用地(約1f)の土地利用を図る。
▽西庄町地区「沿道サービス振興モデル地区)」(約2・2f)=官庁街から1q圏内の主要地方道大津守山近江八幡線沿いの土地であって、利便性の高い交通結節点に位置して将来的にも重要な位置にある。幹線道路における沿道サービス施設の秩序ある立地を誘導するとともに、既存集落に隣接する約0・3fについては戸建を中心に住宅地の形成を図る。
▽土田町南地区「商業機能交流拠点地区」(約12・2f)=JR近江八幡駅より北西約1q、官庁街通り(市道黒橋八木線)沿いに位置。公共公益施設地区(約2f、近江八幡警察署、市総合福祉センターなどが既存立地)を内包し、官庁街を補完する活力と魅力あるまちづくりの実現に向け、商業機能と居住機能の総合的かつ計画的な市街地の整備・誘導に向け商業A地区(約0・3f)と同B地区(約8f)、住居地区(約1・9f)を設定する。
※この地区計画決定に伴い、既決定の「黒橋八木線土田町沿道活性化地区計画」(約1・48f)は廃止する。
▽小船木町地区「県道2号複合拠点施設地区」(約10・7f)=JR近江八幡駅より北西約2q、主要地方道大津能登川長浜線沿いに位置し、隣接する小舟木エコ村地区計画地への人口定着により人口が増加、沿道サービス施設の立地も進んでいる。公共公益施設地区(約1・6f、消防署および高齢者福祉施設が既存立地)を内包し、災害救援・援助の活動拠点として物資の集約・運搬をはじめ災害時の行政や企業等のバックアップ機能の補完等を目的とした商業機能等の充実を目的に、商業地区(約9・1f)を設定する。
※この地区計画の決定に伴い、既決定の「県道2号小船木町沿道活性化地区計画」(約1・73f)は廃止する。
▽安土町上豊浦地区「安土循環型生活圏整備地区」(約2・4f)=JR安土駅より北東約300b。区域東側をJR琵琶湖線を跨いで地区を貫通する県道安土西生来線に接し、その北側沿道には商業施設が立地している。安土地域で進めている「家族が同じ日常圏域の中で暮らせる住環境」を整える『循環型生活圏構想』の好適地として、地区周辺の世帯が三世代同じ生活圏域に住居を保有し定住を図って行くための住宅地(約1・4f)を整備するとともに、幹線道路沿道の特性を活かし、日用品販売店等の立地誘導のため商業地区(約1f)を設定する。
提供:滋賀産業新聞