県は、土木関係建設コンサルタント業務に初めて一般競争入札を導入する。21日、鹿児島市内の土砂災害特別警戒区域指定に必要な基礎調査の委託業務3件を公告。南北を3工区に分け、計1500カ所程度の数値図化や区域設定を行う。過去の案件から類推すると、各工区とも1億円を上回る業務費が想定され、関連する現地調査も別途発注するなど、土木コンサルでは過去例のない大型業務となりそうだ。
今回公告した案件は、砂防事業等調査委託1〜3工区。土砂災害警戒区域(イエローゾーン)の指定を終えている鹿児島市内の3エリアを対象に、既往のレーザー測量成果を活用して砂防基盤図を更新し、別途発注する現地調査業務と連携して土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)の設定を行う。
業務概要は、1工区(34.3ku)が谷山地区525カ所(急傾斜440、土石流85)、2工区(35.7ku)は南部・北部地区506カ所(急傾斜400、土石流106)、3工区(30.4ku)は北部・吉田地区529カ所(急傾斜473、土石流56)。履行期限は31年3月25日まで。
入札参加の資格要件は、@2003年度以降に単独の元請け、またはJV構成員として、基礎調査に関する業務のうち区域設定の実績を有するA同年度以降に単独の元請けとして、県発注の基礎調査に関する実績を有するB同年度以降に単独の元請け、またはJV構成員として公共機関が発注するレーザー測量成果を活用した図化実績を有する−など。
担当は砂防課。入札書(電子入札)の受け付けは12月13日から、開札は同17日午後に1、3、2工区の順序で行う。
■全体見込みは10億前後
土砂災害防止法を踏まえ、県では19年度末までに鹿児島市内約3300カ所(うち既実施約400カ所=桜島、旧松元地区)の基礎調査を完了させる方針。今回公告分で約1500カ所を3工区に分けたため、残りの約1400カ所を発注する場合も同様のロットが想定される。
過去の調査結果から類推して、各工区の概算業務費は1億〜1億5000万円程度。それぞれ現地調査の別途発注もあることから、全体で10億円前後の予算が見込まれる業務となる。