名古屋市住宅都市局は、名古屋駅地区・伏見地区・栄地区を中心とする都心まちづくりビジョン案をまとめた。名古屋駅地区は交流のターミナル拠点、伏見地区は職・住・遊のプラットホーム、栄地区は都心のオアシスと位置付ける考え。本年度末までにまちづくりビジョンとして公表する方針。
都心部のまちづくりの方針は▽国際競争力の強化と民間投資を誘発する環境整備(投資意欲)▽訪れたくなるまちを実現する都市魅力の向上(訪問意欲)▽利便性とゆとりが両立した名古屋ライフスタイルの実現(都市ブランド)―の三つの方針を設定。
名古屋駅地区は、リニア中央新幹線の時間短縮効果を最大限生かせるよう、鉄道や道路ネットワークを強化させる他、駅前広場・地下空間の整備を通じて交通結節点の機能を強化する。イノベーションやMICE関連施設の都市機能を誘導し、国際的・広域的なビジネス拠点形成を図る考え。
伏見地区は、リノベーションを通じてスタートアップ企業の場づくりの形成を目指す。また、民間再開発などにおいて、歴史的建築物や公園・水辺空間がある地区の特性を生かした開発を誘導することで、個性あるまちを創出させたい考え。また、市街地再開発などで低層階の店舗化など、にぎわいと調和した住宅供給を促進、エネルギーの面的利用などの環境に配慮したまちづくりを誘導する。
栄地区は、久屋大通を都心のシンボル的な空間として整備するとともに、公園や通りとメインストリートに面した建物の低層店舗配置などを通じて、にぎわいの創出を目指す。商業や娯楽、芸術、文化施設などを導入する開発計画にはインセンティブを付与し、集客施設の集積を目指す。また、高質な環境を生かしたハイグレードホテルの誘導を行う考え。中高層階に住宅を供給すべきエリアでは、下層に都市機能導入を図る方針。
名城地区は名古屋城や重要文化財の庁舎、豊かな緑を生かした奥行きと多様性を向上させるとともに、休庁日のオープンスペース利活用を行う考え。
大須地区は、下町情緒とポップカルチャーの集積を生かして、さまざまなイベントが手軽にできる小規模オープンスペースを誘導する。
提供:建通新聞社